4.食品廃棄物の削減

Glicoグループ環境ビジョン2050中長期環境定量目標

環境ビジョン2050進捗(グローバル)

2023年度、食品廃棄物総廃棄物の削減率は83%です。2030年の95%削減に向けて、食品廃棄物の削減に努めています。サプライチェーンの効率化や需給予測精度の向上等、廃棄が発生しない取り組みに注力するほか、商品の微細な欠け等、品質に問題がない商品をふぞろい品としてアウトレット販売を行い、2050年までに食品廃棄物を95%削減することを目指します。

ISO14001 目標と実績(国内)

廃棄物・食品ロスへの取り組み
食品リサイクルを推進し、有効活用できない食品廃棄を削減する

2023年度の目標 結果・達成率 評価
全製造会社で原材料ロスをベンチマーク比95%以下にする 94.1% ※国内製造会社
製品廃棄をベンチマーク比12%以上削減する 94t増加 ※国内の製品廃棄で食品リサイクルされない廃棄 ×

考え方

フードロスとフードウェイスト

Glicoでは食品廃棄物を、工場などの生産設備から生じる「フードロス」と、製品の売れ残りや食べ残しから出る「フードウェイスト」の2つに分けて、それぞれ削減に向けた取り組みをしています。
フードロス削減策として、例えば新商品の量産に向けて生産設備を立ち上げる際のロスを減らすなど、まずは廃棄を減らすことに優先的に取り組んでいます。また、全工場をあげてリサイクルレベルの質的向上に取り組んでおり、これまで熱源としてリサイクル(サーマルリサイクル=廃棄物を焼却する際の熱エネルギーを利用するリサイクル)していたものを燃料として再利用するほか、肥料や家畜の飼料として再利用しています。
一方、フードウェイスト削減については、製品の売れ残りが出ないように需給業務の精度向上に努めているほか、製法や包材を工夫して賞味期限の延長を実現することによって、廃棄される商品を減らす取り組みを行っています。さらに、家庭から出る食品廃棄物を堆肥化するコンポストを社員が体感するプログラムを実施するなど、循環社会の実現に向けて取り組んでいます。

フードロス削減取り組み

ふぞろい品の販売

ふぞろい品の商品画像

Glicoグループでは、工場での製造過程で、出荷良品基準を満たさなかった部分については、飼料や堆肥にリサイクルしたり、溶かして製品原料として再利用するなどして、フードロス削減に取り組んでいます。さらに、風味などの基本的な品質は満たしているものの、形状に欠けや割れ、折れがあるなどの規格外商品を「ふぞろい品」としてアウトレット販売しています。
※販売場所・時期については不定です。

製造工場における取り組み

工場ラインのイメージ写真

Glicoグループでは従来から、工場における「ゼロエミッション(生産活動から出る廃棄物のうち最終埋め立て処分にする量をゼロにすること)」を目標に取り組んでいます。 日本の食品リサイクル法で食品製造業のリサイクル率目標は現在95%と定められていますが、Glicoグループの国内工場の平均リサイクル率は、2013年以降95%達成を継続しています。工場はロスの発生抑制が最優先ですが、発生した食品廃棄物についてはその性質を考慮しながら適切なリサイクル方法を検討し、飼料・堆肥等の原材料としての利用や、メタン発酵によるガスや発電エネルギーの利用等、さまざまな形で循環資源として活用されています。

神戸工場 食品リサイクル・ループ

神戸工場では、工場から出る廃棄物を活かして新たな資源や食品を生み出し、それを再びGlicoが活用する「食品リサイクル・ループ」取り組みを定期的に行い、従業員の廃棄物対策への意識向上につなげています。
神戸工場で廃棄となったビスコを工場内で粉砕し、豚のエサとして飼料会社に提供しています。その飼料を食べて育った豚の一部を私たちが買い付け、神戸工場の従業員向け食堂や隣接する保育園「こどもぴあ」の給食メニューとして出しています。また、廃棄物として発生したカカオの皮を肥料化し、「こどもぴあ」園内で子どもたちが育てている家庭菜園で使用し、採れた野菜を保育園の昼食で提供しています。こうした取り組みが評価され、2020年には第14回キッズデザイン賞を受賞しました。
≫「神戸工場 食品リサイクル・ループ」についてはこちら
≫「第14回キッズデザイン賞」についてはこちら

飼料化した廃棄ビスコを食べて育った豚肉のメニュー(左)・隣接保育園「こどもぴあ」で採れた野菜(右)

飼料化した廃棄ビスコを食べて育った豚肉のメニュー(左)・隣接保育園「こどもぴあ」で採れた野菜(右)

柏原工場 粉ミルクのリサイクル

粉ミルクを活用したパンの写真

赤ちゃん用の粉ミルク『アイクレオ』を製造している柏原工場では、出荷数量の都合等により出荷できず廃棄されてしまう粉ミルクが発生していましたが、パン工房を運営する近隣の障がい者支援センターに提供し、ミルクパンの原料として活用いただいています。この協働取り組みは、従業員の喫食用にパン工房からパンの注文買い取りをしていたことがきっかけとなり、食品ロス削減のための新たなアイデアとして生まれました。
※柏原工場は2024年4月に生産を停止、『アイクレオ』製造については他工場に移管しています

フードバンクへの寄贈

フードバンクへの商品提供の写真と、ボランティア活動をしている様子

緑洲フードバンクでボランティア活動をしている様子

食品メーカーとして、廃棄される食品を削減するため、製造工程で発生する廃棄物の削減に注力する等の取り組みの他、フードバンクへの商品寄贈を行っています。 上海江崎グリコでは緑洲フードバンクと連携し、中国の貧困地域の小学生に商品を提供するとともに、食べ物を大切にする精神や良い食習慣に関する知識をお伝えしました。今後も、食品ロス削減に向けて、地域の皆さまと協働しながら進めていきます。

フードウェイスト削減取り組み

賞味期限の延長と年月表示化

賞味期限表示の変更を示した画像

  カレー商品の賞味期限表示

賞味期限とは、おいしく食べられる期限のことを表します。この期限を過ぎたらすぐに食べられなくなるというものではありません。Glicoグループでは製造管理、品質管理を徹底し、賞味期限を設定しています。
賞味期限が長い商品については、品質劣化のスピードが遅く、消費段階で日付管理をする意味が乏しいと考えられるため、日付で表示してきた賞味期限を年月表示に切り替えることに、Glicoグループは早くから取り組んできました。商品グループごとに賞味期限を設定し、菓子・食品カテゴリーのほぼすべての商品について、年月表示へ切り替えました。この取り組みは、食品ロス削減だけでなく、商品配送時・管理時の業務効率化にもつながっています。

Glicoの保存食「賞味期限お知らせシステム」

賞味期限お知らせシステムの対象商品写真

Glicoの保存食(ビスコ保存缶、カレー職人)の賞味期限が切れる前にメールでお知らせするサービスを提供しています。いざという時に必要な保存食を、賞味期限が切れる前に消費していただくよう促します。
≫「賞味期限お知らせシステム」はこちら
≫「江崎グリコの防災備蓄品」についてはこちら

セールスにおけるリサイクル促進

江崎グリコセールス部門で発生する廃棄商品については、2002年度から再資源化に取り組み、飼料や肥料へのリサイクルを進めています。スーパーマーケット等で使用する販売促進品も廃棄量が多いため、計画的な使用計画を立て、資源を無駄にすることがないように取り組んでいます。

コンポストで生ごみから堆肥づくり 「食の循環」を社員が実践

食品廃棄物削減と「食の循環」を社員が自ら体感するプログラムを2023年に初めて実施しました。

食の循環

コンポストを活用し自宅で食品廃棄物(生ごみ)から堆肥をつくる→その堆肥を地域の農家と連携し使用いただく→育てていただいた農作物を社員が収穫に行く→自宅で料理に使いまた生ごみをコンポストへ、といったプログラムに2023年は50名の社員が参加し、生ごみを約584kg削減するとともに、参加者の87%がライフスタイルへのポジティブな変化を感じる結果となりました。

参加者からは「普段は捨てている生ごみを堆肥化する事で、食品廃棄物を削減できるのだと改めて認識した」「持続可能な取り組みをすることが自分にとって心地が良いと気づいた」「野菜嫌いな子どもが自分で収穫した野菜をおいしく食べた」といった声が寄せられました。今後も社員が自ら体感することで、事業への理解深耕と行動につながるプログラムを目指していきます。

食品ロス削減啓発コミュニケーション

食品ロス削減をテーマにしたレシピ募集

レシピクラブサムネイル画像

Glicoの会員サイトwith Glicoの「レシピクラブ」は、Glico商品を使い手軽に作れるレシピを掲載しているコンテンツです。沢山のレシピの中から、#火を使わない #食品ロス対策 などのキーワードで検索し、お好みのレシピを探すことができます。 また、2022年10月の食品ロス削減月間では、残った食材の活用をテーマにレシピ投稿キャンペーンを実施し、会員様から多数のアイデアレシピをいただきました。レシピはサイト上でいつでもアクセスでき、継続して食品ロス削減を実践していただく機会を提供しています。
≫「With Glico レシピクラブ」はこちら

食品ロス削減実践ファンミーティング

Glicoの会員サイトwith Glicoにて、2021年から食品廃棄物削減をコンセプトにしたファンミーティングを実施しています。 2023年は、親子で自由研究ができるファンミーティングを全3回にわたって開催しました。1回目は、自由研究のテーマを「コンポスト」と題し、コンポストの取り組み方を学びました。2回目は、親子で一緒に料理にチャレンジし、おいしく食べたあと、調理時に出た野菜の皮やくずを使い、コンポスト体験を実施しました。 3回目は、約1ヵ月続けた各自のコンポストの感想を伝えあい、コンポストのクイズにも挑戦しました。参加者の皆さまからは「新しい気づきがあった」「今後の生活に活かしたい」といった声もいただきました。 今後もGlicoグループでは消費者の方にも楽しく食品廃棄物削減に取り組んでいただけるような活動を目指していきます。

冷蔵庫の中にある残り野菜を使ったアーモンドミルクスープ料理体験とコンポストキットを使ったコンポスト体験
<出典:https://lfc-compost.jp/> 画像提供:ローカルフードサイクリング株式会社

国連WFP協会「#ごちそうさまチャレンジ」協賛

国連WFP協会「#ごちそうさまチャレンジ」は、「食品ロス」と「飢餓」という2つの食料問題への関心を促し、さらに食品ロス削減の取り組みを通じて「寄付」ができるSNSキャンペーンです。ごちそうさまポーズや食品ロス削減の取り組みを指定ハッシュタグ「#ごちそうさまチャレンジで飢餓をなくそう」を付けてSNS(X、Instagram、Facebook)に投稿し拡散する取り組みで、2023年は過去最高の211,394件の寄付対象アクションが集まり、50万人に学校給食を届けられることとなりました。(国連WFP協会)Glicoグループはこの取り組みに賛同し、協賛しています。

農林水産省「ろすのん」テーブルトップ設置

ろすのんテーブルトップ設置写真

もったいない活動の意識づけのため、食堂やサロンに啓発のためのテーブルトップを設置しています。
≫農林水産省「食品ロスの削減・食品リサイクル」