3.持続可能な容器包装資源の活用
Glicoグループ環境ビジョン2050中長期環境定量目標
環境ビジョン2050進捗(グローバル)
2023年度、1WAYプラスチック使用量は2017年比原単位16.6%削減しました。2050年までに、生産技術向上および規格見直しによる減量化やバイオマス素材への転換等を通じ、プラスチックをリサイクル原料に100%切り替えることを目指します。
2023年度、森林認証紙は99%使用しており、2030年および2050年の100%使用への切り替え目標に近づいています。
ISO14001目標と実績(国内)
環境にやさしい製品設計
・紙包材への森林認証紙採用率向上
・1WAYプラスチック包材の使用を削減する
環境にやさしい製品設計
2023年度の目標 | 結果・達成率 | 評価 |
---|---|---|
1WAYプラスチックの削減推進 | 単年度目標の削減率には未達成 | × |
環境配慮型包材への切り替えを促進する | 森林認証紙採用率の向上 | 〇 |
考え方
環境に配慮した商品・企画設計、包装材料の調達
Glicoグループでは、安全・安心な商品を提供するため、原材料をはじめとするさまざまな資源を使用しています。原材料の調達から製造、消費に至るまでの環境負荷を低減するため、開発・企画段階から環境に配慮した商品設計を行っています。環境配慮された原材料の調達を進めるとともに、原材料が納入される際の梱包材についても環境配慮されたものを使用しています。また、環境配慮型プラスチックや紙、インクの採用も進めています。お客様が容器・包装を捨てる際に分別しやすいよう、商品には包装材料の種類やリサイクルマークを表示しています。また、箱型商品については、小さくたためる加工を行い、家庭から排出されるゴミの体積を減らす工夫を行っています。
プラスチック使用量削減取り組み
WWFジャパン「プラスチック・サーキュラー・チャレンジ2025」に参画
江崎グリコは、2023年6月から、公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(以下、WWF ジャパン)が掲げる「プラスチック・サーキュラー・チャレンジ 2025」に参画しています。容器包装や使い捨てプラスチックによる海洋を含む環境汚染と気候変動の課題に対し、持続可能な社会の実現を目指します。
「プラスチック・サーキュラー・チャレンジ 2025」は、WWF ジャパンが「サーキュラー・エコノミー(循環型経済)」の実現に向け、プラスチックの削減と再利用を推進するために2022年2月に発足した枠組みで、プラスチックによる海洋を含む環境汚染をなくし、気候変動への影響を抑えることを狙いとしています。参画企業は 2025 年までに 5 つの取り組みを約束します。
1. 問題のあるもの、および、必ずしも必要のないものの使用を取り止める。さらに環境負荷低減に向けて削減目標を設定した上で取り組む。代替素材への切り替えの際はその持続可能性を十分考慮する
2. 可能な限り、リユース(他の素材のリユースを含む)へと切り替える
3. 可能な限り、リユース、リサイクル可能なデザインとする
4. リサイクル素材の意欲的な使用目標を設定する
5. リユース、リサイクル率を向上させるためにステークホルダーと協力する
容器包装の減量化、環境対応型包材の導入
品質向上を目指し、容器・包装の機能を追求するとともに、減量化による環境負荷の低減にも取り組んでいます。
<トレー>
2018年より『アーモンドピーク』や『神戸ローストショコラ』のプラスチックトレーの軽量化に取り組み、従来比年間約4tを削減しています。
<外包装>
2022年より『Pocky<8袋>』や『プリッツ<8袋>』の外包装の薄化に取り組み、従来比年間約42tを削減しています。
<ストロー>
石油系樹脂を原料としたストローから植物由来原料を5%配合したストローに変更したり、ストローを廃止し直接飲みやすい容器に変更したりして、環境対応型包材の導入を進めています。2022年からは、すべてのストローにおいて、植物由来素材を5%以上使用したストローを採用しています。
江崎グリコは 2022年4月から、学校給食で提供する牛乳のストローを廃止しました。ストローが無くても飲みやすく、開封しやすい紙パックに切り替えています。学校給食用牛乳のストローを廃止することで、2023 年に 2021 年⽐で年間約 2500 万本、二酸化炭素(CO₂) の排出量に換算すると約 25 tの削減につながっています。また、ストローが必要な児童・生徒にも対応するため、従来通り、ストロー穴を残しています。
<シュリンクフィルム>
2021年3月より、『朝食りんごヨーグルト』のプラスチックカップ容器にラミネートしていたシュリンクフィルムを外し、容器に直接印刷する仕様に変えたことで、プラスチックの使用量を削減しています。また、2021年5月からは容器の一部原料をバイオプラスチックに置き換えています。この取り組みにより、年間約24tのプラスチック使用量削減につながる見込みです。
<アイススティック>
2019 年度より、『セブンティーンアイス』のスティックの組成の10%を植物由来のバイオマスプラスチックに置換しました。『セブンティーンアイス』のスティックには、サトウキビから作ったポリエチレンを使用しています。
紙使用量の削減・環境配慮紙使用取り組み
森林認証紙の使用
世界的に森林破壊が問題になっており、適正に管理された森林から産出・加工された紙を使用することも企業として重要な取り組みの一つです。Glicoグループでは、FSC®(※1)やPEFC(※2)などの国際的な森林認証団体から認証された環境配慮紙の使用を順次拡大しています。
(※1)FSC®( Forest Stewardship Council® :森林管理協議会)とは、責任ある森林管理の普及を目指し、責任ある森林管理の規格を定め、国際的な森林認証制度を運営している非営利団体です。
(※2)PEFC( PEFC森林認証プログラム)とは、「環境・森林を保護しつつ、同時に産業を繁栄させること」を目的に発足された森林認証システムです。
ペーパーレス・電子化
2018年1月より、業務効率化と生産性向上、資源の有効活用を目的とし、ペーパーレス化に取り組むとともに、電子化を推進しています。オフィスでの働き方の見直しやペーパーレス取り組みを進めながら、使用する紙の削減に取り組んでいます。
その他のゼロエミッション推進
事業活動により発生した廃棄物については、3R(リデュース・リユース・リサイクル)の観点でゼロエミッションを推進しています。
※焼却時に廃熱回収、あるいは焼却灰が有効利用された場合は再資源化に含みます。廃棄物リサイクル率99.5%以上をもってゼロエミッション達成としています。
分別の促進
詳細な分別基準に基づく分別ステーションの設置により、「ゴミ」を捨てるという意識から、再資源化の分別をするという意識で分別を徹底しています。
梱包材の削減
工場に納入される原材料はその特性に応じてさまざまな包材で梱包されています。Glicoグループは取引先と協力して、原材料を輸送する際の容器のリユース化や過剰包装の廃止に取り組み、原材料の品質を確保しながら梱包材を削減する努力をしています。
神戸工場における包材のクローズドリサイクル
神戸工場では2019年3月より、従来RPF(ボイラー用固形燃料)としてリサイクルしていた「ビニール重袋」を段ボールメーカーと協力し自社製品の段ボール原紙の一部に再利用しています。また2022年1月からは工場で発生したダンボールも同様に再生処理されたものを神戸工場で使用するリサイクルループを開始しています。