Glico創業者 江崎利一が残した、魂の言葉とは?〈1〉

就職活動をする学生

Glicoの創業者 江崎利一が、その97年の生涯の中で残した数々の言葉。商売を天職に時代を駆け抜けた創業者の思いは、今なお、驚くほどリアルでストレートに、私たちの心に響いてきます。きびしくも思いのつまった言葉たちには、ビジネス社会でよりよく生き抜くために、ちょっと行き詰まった時にも思い出したい、心のビタミンがいっぱいです。

江崎記念館にある江崎利一の部屋

商売は2×2=5(ににんがご)。当たり前を超える努力を重ねれば、成果は増える。

ビジネスに取り組む以上、いわば「2×2=4(ににんがし)」のような当たり前で、他人と同じような考え方では、それ以上の進歩も発展ない。それが、江崎利一が生涯持ち続けた創意工夫、「2×2=5(ににんがご)」の精神です。たとえば、どんな小さなことであってもバカにせずに考え工夫をしてみること。考える努力をすること。「努力」と「経験」を“判断・直感・工夫”などで掛け合わせることによって「不可能を可能にする」。つまり、人並みの考えをせず、あらゆる場合を科学的に検討して独創的な活路を発見し、独創的なアイデアを発揮することは重要だということです。

握手をするサラリーマン

商売は、もうけたりもうけさせたり。共存共栄がなかったら、発展はない。

必死になって仕事を進めていると、つい自分の利益だけに考えはいきがち。でもちょっと待ってください。相手の心を動かすには、その相手にとってよい話であることがとても重要ですよね。利一は、子ども時代の恩師に「商売というものは、自分のためにあるとともに、世の中のためにあるもの。商品を売る人は、物を売って利益を得るが、買う人もまたそれだけの値打ちのものを買って得をする。この共存共栄がなかったら本当の商売も成り立たないし、発展もない」と諭され、以来、この教えを生涯の信念として守り続けました。物事がうまくいかないとき、今一度頭を切り替え「相手にとってもトクになる話かどうか」を考えてみる。ピンチの時に、ぜひ思いだしたい視点ですね。

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  • ライターさん

    南の島とビールを愛するライター・エディター

    石井緑子