甘~いお菓子のパワーの素は、大人の味・牡蠣エキスだった!
牡蠣といえば、ツルリとした舌ざわりとプルンとした食感、ほろ苦さに磯の香りが加わった豊かな風味がたまりませんよね。おいしいだけでなく、栄養もバツグン。特に年の瀬が近づき、お酒を飲む機会が増える時期は、おススメ。
牡蠣に秘められたパワーが老若男女を健康にする!
牡蠣には、多様な成分が含まれています。いくつかをご紹介していきましょう。
疲労回復に働く牡蠣のパワー
牡蠣には、栄養ドリンクによく使われる「タウリン」が豊富に含まれています。
二日酔いのときなどにタウリン入りの栄養ドリンクをすすめられることがありますが、これはタウリンが、アルコールを分解するときに必要な酵素のサポートをするため。肝臓の負担を軽減する作用があるからなのです。
肝臓が元気になると、体のだるさが緩和されるなどうれしい効果がたくさんあります。なかなか疲れが抜けなくて…とお悩みの女性にも、お酒好きのお父さんにも大いに役立ってくれるというわけです。
女性に多い貧血改善にも◎
また、牡蠣には、血液を作るために必要な鉄や銅、葉酸などが豊富に含まれ、貧血の改善に効果的だと言われています。そのうえ低カロリーなのでダイエット中でも食べやすい。生卵が1個あたり約77kcalであるのに対し、生牡蠣は1個あたり約6kcalと10分の1以下ですから、しっかりと栄養をとりながらカロリー制御もできるのです。
また、牡蠣に含まれる鉄やタウリンは、ビタミンCと合わせて摂ると吸収率がアップ! 生牡蠣にレモンを絞って食べることで、自然と吸収がよくなっているんですね。
もちろん、子どもたちに積極的に摂り入れてほしい栄養素もたっぷり。
子どもたちの体を育てて元気に!
牡蠣の大きな特徴は「グリコーゲン」が豊富に含まれていること。
グリコーゲンは肝臓に蓄えられてエネルギーの素となり、血糖を維持するために使われます。また、空腹時などエネルギーが消費されたときに糖質を供給する役割も。私たちが体を動かすために欠かせない存在であり、子どもたちを元気に成長させてくれる重要な成分なのです。
こうしたさまざまな成分が含まれ、健康な体づくりに一役買ってくれる牡蠣。実は、ロングセラーのあのお菓子が生まれるきっかけにもなっていました。
捨てられていた牡蠣の煮汁が、実は栄養の宝庫!
はじまりは、Glico創業者・江崎利一が、浜辺で見たある光景でした。
牡蠣の煮汁を捨てる漁師たちの姿を目にして、「牡蠣にはエネルギー代謝に必要なグリコーゲンが多く含まれている」という記事を読んだことを思い出し、このグリコーゲンを子どもたちの健康づくりに生かせないかと考えたのです。
そうして江崎は、破棄される牡蠣の煮汁を譲り受け、入念に煮詰めることでグリコーゲンを取り出す研究に取り組みました。
牡蠣由来のグリコーゲンが幼い長男の命を救う
研究を進めているまさにその時、思いがけずグリコーゲンのパワーを実感する出来事がありました。8歳になる江崎の長男がチフスにかかり、医者がさじを投げるほどの病状に陥ったのです。
江崎は少しでも良くなることを願い、箸の先に牡蠣エキスをつけて舐めさせました。苦くて嫌がる息子を見て牡蠣エキスに砂糖を加え、飲みやすいよう工夫も。そうして与え続けたところ容体が回復し、一命をとりとめたのです。
グリコーゲン入りのお菓子で健康な体づくりをサポート
牡蠣のパワーを確信し、薬としての活用を考えていた江崎に、ある医者がアドバイスをしました。「病気になった人を治すよりも、病気にかからない体をつくることが大切。予防こそが治療に勝るのだ」。
その言葉にハッとした江崎は、子どもたちが大好きなお菓子を食べながら、健康を促進できるようなお菓子をつくろうと決意。キャラメルに牡蠣エキスを加え、グリコーゲンにちなんで「グリコ」と名づけ“栄養菓子”として売り出したのです。
グリコのおもちゃは「心の発達」をサポートするため
ちなみにグリコと言えば、2段重ねのパッケージでおなじみ。下段にはキャラメル、上段にはミニサイズのおもちゃが入っています。
このおもちゃが誕生したのは昭和2年。「子どもたちにとって、食べることと遊ぶことは二大天職。子どもの栄養補給剤になる栄養菓子のグリコと、心の発育に役立つおもちゃをひとつにしよう」。
そうした思いから今でも、グリコはおもちゃをセットにして販売しています。
今でこそ、人々の健康意識が高まり、健康志向のお菓子がたくさん店頭に並ぶようになりました。しかしGlicoでは、食生活が豊かとは言えなかった大正時代から、子どもたちに「おいしさと健康」を提供し続けているのです。
「からだにいいこと」編集部
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