庭で育てた野菜を食べる!?Glicoの「こどもぴあ保育園」はどんなところ?

こどもぴあ保育園

保育園不足による待機児童問題が深刻化する現在、政府をはじめ各所にて受入児童数拡大を目指した取り組みが進められています。そんななか、私たちGlicoも保育施設「こどもぴあ保育園 神戸」を2019年4月より関西グリコ(株)神戸ファクトリーの敷地内に開園。Glicoグループでは、男女を問わず子育て世代が安心して働ける職場環境の整備を進めており、その一つが今回の従業員向け保育施設なのです。
保育園の設営場所には、数あるGlicoの工場施設の中でも、特に子育て世代の数が多かった「神戸ファクトリー」が選ばれました。
今回は、保育園の運営に携わる松下社長(取材当時)と西川施設長に開園後の様子をお聞きました。

さらなる働きやすい環境への第一歩

さらなる働きやすい環境への第一歩

―今回の開園は、Glicoの新しい取り組みということですが、もともとそういった動きがあったのでしょうか?

松下社長「神戸ファクトリーはGlicoグループで最大規模の生産工場です。24時間稼働し、土日も稼働しています。そのフル稼働に対して働き手をどのように確保するのかはずっと課題となっています。また社会的課題でもあるダイバーシティや女性活躍社会といったキーワードの実現も重要なポイントです。今の時代だからこそ皆がより良い環境で気持ちよく働くことを目指すことが大事です。産休や育休はもちろん、その後の子育てが足かせとなっていては働きやすい環境とはとても言えません。そこで施策の一つとして出た案が今回の保育園だったのです。」

松下社長

―そもそもそういった要望が社内ではあったのですか?

松下社長「労働環境整備に対しては様々な要望がありましたが、保育施設があったほうが働きやすいという意見が多くありました。ただ、今回の開園により小さなお子様を持つ従業員たちにとって、かなり大きな安心材料となったことは間違いないと思います。」

「にんげん力」を育む方針とは?

一人ひとりの「にんげん力」を育む方針とは?

―施設内の保育園というのは本当に心強いですよね。そんな園の方針などもお聞きしたいのですが?

松下社長「創業者江崎利一から受け継いでいる創業の精神のひとつに「食べながら遊び、遊びながら食べている。どちらか一方だけでは満足しない、それが子どもの世界」。という考え方があります。子どもの二大転職は「食べる」と「遊ぶ」。そこでこの保育園でも食べることと遊ぶことを通じて、“にんげん力”を育むことが大切と考えています。それには自然のなかでの体験が必須であり、ものの性質や身近な事象、生命の尊さ、食の循環に気づく環境を与えて様々な経験をしていただくつもりです」
西川施設長「具体的なこだわりでいうと、裸足保育というのがあります。足指が解放された裸足で過ごすことにより、卒園までに足の指で地面をしっかり捉える力を育て、歩くや走る以外にも、跳ぶ、よじ登るといった運動感覚を身につけることを目標としています。」

―それは子どもたちも楽しそうですね。明確な保育方針なら親御さんも選択しやすいでしょうし。

西川施設長「そうですね、すでに今いる子供たちは裸足で元気に遊んでいますよ。また異年齢が一緒に生活する環境も大切と考えています。0~5歳児が共に暮らし頼りたい相手、遊びたい場所を子どもが自ら選択肢し、自分たちで見通しを立てて行動します。私たちが指示したり手を差し伸べたりするのではなく、できる限り自分たちで動こうとする姿勢を見守る形をとっています。また、ダメと言わない教育を徹底しています。大人が判断するのではなく、自らいろんな体験をすることで、物事の良し悪しを自分で感じて判断するようになります。」

食育

―個性的な食育もされているようで、庭園では野菜を植えられているとか?

西川施設長「まだ小さな範囲ですけどね。野菜などの種や苗を植えて育て、自分たちで収穫し、実際に食べます。今は小松菜やピーマン、なす、トマト、キュウリなどを育てているのですが、毎日の水やりは子どもたちが大好きな日課。先日はラディッシュを洗って食べました。自分で育てた野菜を食べると多少苦くても喜んで食べるようで(笑)」

庭園では野菜を植えている

―そういう意味でも、Glicoの企業理念「おいしさと健康」もしっかり継承している感じですね。

松下社長「もちろんそれは根底にありますね。私たちも食のプロとして子どもたちと接し、健康を育むことを大前提に考えています」

安心して預けられるシステムにも満足の声

また現在神戸ファクトリーで働き、実際に「こどもぴあ保育園」へ子供を預けているAさんにもお話を伺いました。

子供を預けているAさん

―この保育園に決められた理由を教えてください

Aさん「一番の理由は、自分の職場の範囲内ですぐに駆け付けられるからですね。避難訓練なども一緒の場所に避難できるため子どもの安否確認もすぐできます。また最新の技術も取り入れていて、園の様子をスマホのアプリを使って送っていただいています。祖父母もそのアプリで写真などを共有できるので、園での普段の様子を家族が同時に知れるのは大きいですね。ちなみに休みたい際もアプリで報告できます。」

この保育園に決めた理由

―そういった配慮は安心だし嬉しいですよね。

Aさん「本当に助かっていますね。あとはうちの子はまだ1歳1か月なので周りはみんなお兄ちゃんかお姉ちゃん。でもとても良くしてもらっているようで、みんなの影響からかよく話すようになったとも思いますし、人見知りなのもかなりましになったと思っています。またいろんな場所に連れて行ってくれるうえ、基本裸足保育なのもお気に入りですね。今は、食べる練習も楽しくしてもらっているようで、家でもスプーンを使ってひとりで食べてくれます。」

裸足保育なのもお気に入り

―早くも自発的な行動が出ているのかもしれませんね。

Aさん「寝かしつけなども一人で寝てくれることが多いので、とても楽ですね。もちろんこの子の性格なのかもしれませんが。」

―おお、それはすごい!

Aさん「さらには裸足保育などの基本方針に惹かれた部分もありました。今の子どもはなかなか外遊びができない環境の子も多いですからね。ここなら目一杯遊べるし、体も強くなるのではと期待しています。すでに風邪もほとんどひいていませんからね。(笑)」

子どもたちの未来を見据えて

新たな取り組みの一環として走り出した「こどもぴあ保育園」。裸足保育や食育、異年齢保育など子どもたちの未来を見据えて考えられた取り組みはまだ始まったばかりですが、すでに保護者だけでなく今の従業員たちの安心材料となっていることも事実です。創業者江崎利一の理念でもある「子どものココロとカラダの健やかな成長」を体現したこの保育園は、食品だけでなく育児や教育に対しても指針となることを示してくれそうです。