育児に1か月専念!「Co育てMonth」
2020年1月から、育児に専念する休暇を1ヵ月間取得することを必須化した制度「Co育てMonth(こそだてマンス 正式制度名:Co育て出産時休暇)」をスタートさせ、現在では男性社員の取得率が100%となっております。この制度の目的や取得にあたっての想いを、CSR委員会人財部会長、マーケティング企画室長 兼 広告部長 福川 英樹さんに語ってもらいました。
「Co育てMonth」とは…
0か月~6か月の子どもを持つ社員が対象の、1か月の有給扱いの休暇。対象者は取得が必須。2020年1月から運用開始。
「Co育て」を契機に自らライフデザインを描く
―2020年1月より「Co育てMonth」が新設、1ヵ月の休暇が必須になりました。制度を設定した目的を教えてください。
(福川さん)Glicoはさまざまなイノベーションを創出するため、多様な人財が活躍できる組織風土の実現を目指しています。そのためには、まずは社員の柔軟な働き方を促すことで個人が成長し、結果として会社全体の生産性につなげることが大事です。この度新設した「Co育てMonth」は、社員が人生をデザインする習慣をサポートする施策のひとつで、働き方を進化させてもらうことを期待しています。
2019年4月より5日間の育休を義務化しましたが、取得した社員に聞くと「通常の有給休暇とあまり変わらない」「子どもと向き合う時間は取れたけど、本格的な育児参画には程遠い」などの声が多数ありました。5日間だと短すぎるため、意識・行動の変化まで至らない人もいたようです。もっと育児参画を積極的に行ってもらおうと「Co育てMonth」を新設しました。
「ダイバーシティ&インクルージョン」の推進は、Glicoだけでなく社会全体の課題でもあります。現代では、多様な個性を持つ人が生き生きと働き、社会で共生し、活躍して成果を上げることが求められています。Glicoは「Co育てPROJECT」を進め、性別・年齢・国籍関わらず、すべての人が育児に参画する社会を創るために一石を投じようと動いています。その一環として、Glicoの社員がCo育てをこれまで以上に実践できるよう、そして社員が自らライフデザインを描く習慣を、会社は積極的にサポートしたいと考えています。その意思表示として、「5日間」ではなく、「1ヵ月」と言う単位にしました。
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CSR委員会 人財部会長
マーケティング企画室長 兼 広告部長福川 英樹さん
―Co育てMonthを取得する社員に伝えたいことは何ですか?
(福川さん)多様な人財が活躍できる社会や組織を実現するためには、一人ひとりが、他者の状況や考え方を理解し、自分とは異なる価値観を受け入れることがまず必要です。異なる背景や価値観を持つ人たちと協働することで、新しい価値を作り上げることができるからです。そして、子育ては、生涯でもかけがえのない重要なことで、期間も限られています。「Co育てMonth」の取得中には、お子さんや家庭としっかり向き合うことで、新たな価値観が生まれると思います。それをぜひ復職後に各自の仕事に活かしてもらいたいと考えています。
また、この制度は、自らを、家族を、仕事を、そして人生を見つめ直す良い機会になると思います。家族との絆を深めつつ、仕事や人生を俯瞰的に見ながら本質を理解することにつなげてもらえればと思っています。何年後かに、人生を振り返ったとき、この「Co育てMonth」が大きな意味があったと感じてもらえれば嬉しいです。
チームの生産性の向上に期待
―チームのメンバーが「Co育てMonth」を取ることで、どのような組織の変化を期待していますか?
(福川さん)先ほども述べましたが、他者の状況や価値観、つまり違いを理解し、その上でそれぞれの強みを掛け合わせてより強い組織になるきっかけになればと考えています。そして、仕事は、属人化しやすく、また、改善が必要と思っていても日ごろの多忙さゆえに改善になかなか手が回らないということが、職場のあちこちで起こっていると思います。メンバーの一人が1か月不在になることで、仕事を可視化し、無駄や改善点の洗い出しができるようになり、組織全体の生産性が上がると考えています。
また、「Co育てMonth」だけでなく、「介護」「自己啓発」「自分を見つめなおす旅に出る」など、人それぞれ、様々な理由で、まとまった休暇をとることに、抵抗がない、むしろ奨励される風土を作りたいとも考えています。仕事の生産性が上がること、一人ひとりのワークとライフが充実すること、そして、新しいイノベーションが生まれること、これを期待しています。
組織で制度を計画的に支援
―スムーズに「Co育てMonth」を取得するために、取得社員やリーダーが心がけることは?
(福川さん)数ヵ月前から本人はもちろん、会社としても計画的な準備が必要となります。それを進めるにあたっては上司との相談も必要ですし、家庭での相談もしていただかなければいけません。休職前にしっかり連携して準備し、業務の効率化を図ったうえで、気兼ねなく堂々と休んで、育児に専念してもらいたいと思います。
まずは、仕事のことだけでなく、仕事以外の自身のことについても、上司やチームメンバーに気楽に相談できる関係がベースになると思います。そして上司は、「イクボス(部下の育児参加に理解のある上司やリーダーのこと)」を目指してもらいたいと考えています。
「Co育てPROJECT」とは… Glicoは、「Co育てPROJECT」という子育てに関する社会課題解決PROJECTを推進しています。 「Co育てPROJECT」とは、子どものココロとカラダを育てる土壌として妊娠期からの子どもの発育と子育て環境に着目。新しい命を宿した瞬間からはじまる家族のカタチを「Co育て」とし、特に子どもと一番近い父母の育児が、わきあいあいと(Communication)、上手に協力しながら(Cooperation)、一緒に子どもを育てる(Coparenting)ことで、子どものココロとカラダの成長を育む世の中にしていきたいという想いのもと推進しているものです。