自治体とともにCo育てを/Co育てプログラム

自治体の子育て支援の現状と、Co育てができることは!?

現在、コロナ禍の外出自粛などにより、精神的ストレスや孤独感を感じている子育て世代は増加しています。その一方で、自治体や産院での両親学級は中止となるなど、子育ての不安を相談できる機会も減っています。自治体も様々な取り組みを行っていますが、住民の方との接点が減っているという現状です。

そこで、我々Glicoは、ニューノーマル時代に対応する子育て支援・課題解決を2020年9月より提供開始いたしました。妊娠期から「Co育て」を体感できる、自治体向けにアレンジした両親教室、オンラインによる「Co育てプログラム」です。今回、この「Co育てプログラム」を導入いただいている、大阪府寝屋川市と大阪府枚方市、奈良県三宅町に、子育ての現状や各自治体で行っているCo育てプログラムについてお話をうかがいました。

>>Co育てプログラムとは??

「子育て環境」がすごい!?~大阪府寝屋川(ねやがわ)市

大阪府の東北部に位置する人口約23万人の寝屋川市。 大阪と京都へのアクセスもよく、自然を身近に感じることができる中核市です。様々な子育て施策も行われていて、寝屋川市の子育て施策のサイトは~「子育て環境がすごい⁉」寝屋川市~という面白い(⁉)タイトルで、様々な取組みが紹介されています。

Glicoとは、2020年9月に子育てに関する連携協定を締結し、「寝屋川市Co育てPROJECT」を進められています。今回は、寝屋川市こども部子育て支援課長 白石みつ子さんにお話をうかがいしました。

Q: コロナ禍で出てきた住民の悩みにはどのようなものがありましたか?そのような中で、どのように住民の悩みを解決されてこられましたか?

コロナ禍においては、保育園や幼稚園が休園になるなど、保護者の方や子どもたちにとってストレスフルになりやすい状況で、育児不安など増強する可能性が高い状況です。
そのような不安等、ご相談に対応するため寝屋川市の母子保健事業は、できるだけ事業内容を制限せず感染予防対策を講じながら実施しています。また、来所が不安な方については、オンラインによるご相談の機会を設けています。母子保健事業を進める上での感染対策については、保健所にも相談し進めています。どうしても不安が強く、健診等の来所を控えたい方へは、健診の対象期間を延長、または必要に応じて個別健診をご案内する等しています。

Q.感染対策をしながら、不安を解消する施策をおこなっていらっしゃいますね。そのような中、Co育てプログラムを導入されてのご感想をお願いいたします。

寝屋川市では、産婦健康診査事業の開始に伴い、産後のママのメンタルヘルスの支援にも力を入れています。産後のホルモンバランスの乱れにより、だれにでも起こりうる産後マタニティブルーズや、治療が必要となる産後うつ病について、妊娠期からママ・パパに正しくご理解いただき、お二人のコミュニケーションの大切さを体感し、育児期に備えていただくことができるプログラムとして導入しました。とはいえ、オンラインでのセミナーが初めてだったため、オンライン環境を市役所内で作ることから始まり、苦労は多かったです。

また、実際に行ったCo育てプログラム妊娠期後期講座で、お二人目の赤ちゃんが産まれたご夫婦が参加されていて、パパのイクメンぶりが画面越しやお話から垣間見られ、その他の参加者へ、生の声として非常に参考になったと思います。我々も講座の進行においても「なるほどそうやって実践されていらっしゃるんですね!」と投げかけたり、進行もしやすかったです(パパたちは、プレッシャーとなったかもしれませんが・・)

Q.オンラインでも、このような双方向のやり取りが実現できているのは素敵ですね!今後はどのような子育て支援を行っていきたいとお考えでしょうか?

ここ数年で、スマートフォンの普及によるSNSの利用が増え、だれもが簡単に情報を得られるようになったため、子育てがしやすくなったという方もいる一方で、情報の多さに振り回され、育児不安や産後マタニティブルーズを増長させる方がいることが懸念されます。
 核家族化、共働き等、各家庭の状況も異なる中、どの情報を選択するべきか?自分らしい子育てとは何か?それぞれのご家庭に応じた育児をお二人が考えていただくなど、子育て、親育てにつながるような支援を行っていきたいと思っています。

子育て世代包括センター SKIP~すきっぷ

寝屋川市 Co育てプログラム募集ページ

子育て施策にとても意欲的な寝屋川市の姿勢に子育て施策と職員の皆さんの意気込みがすごい!!と感じました。ありがとうございました!

※寝屋川市との連携協定

「ひらかた de オンライン産前産後クラス」スタート!~大阪府枚方(ひらかた)市

枚方市は寝屋川市のお隣で、大阪と京都のちょうど間に位置し、現在人口は約40万人、大阪府内4番目の自治体です。ユニークなCMで有名な「ひらパー(ひらかたパーク)」もあり、京阪電鉄枚方市駅前には関西初のプロジェクトによる新たな商業施設「枚方T-SITE」がオープンするなど、都市的な便利さを有しながら、歴史や自然など多様な魅力を併せ持つまちとして発展を続けています。
大阪府と包括連携協定を結んでいるGlicoとの1つの子育て協働施策として、Co育てプログラムを導入いただいております。今回は、枚方市地域健康福祉室 母子保健担当 佐伯麗未さんにお話をうかがいました。

Q.Co育てプログラムを導入した理由を教えてください。

パートナーとのコミュニケーション等のワーキングを取り入れた、オンラインでの参加型のプログラムになっていることや産後の方を対象にされていることが、従来の当課で実施していた教室にはなかったことなので、ぜひ導入したいと思いました。
今回、ママや家族が抱える不安や悩みに寄り添えるようにと、オンライン形式による妊産婦向け講座「ひらかた de オンライン産前産後クラス」の中の一つのプログラムとして導入させていただきました。本講座は、妊産婦とその家族を対象とし、出産準備編として「1:栄養・歯科・育児物品」「2:家族の心構え」、産後の育児編「3:みんなで子育て」の3つのプログラムで構成されおり、2,3にCo育てプログラムを導入しております。

Q.オンラインセミナー化がとてもスピーディで(ものの3ヶ月程度で実施!)ご苦労も多かったのではないですか?

正直オンラインの教室が初めての取組みだったので、教室内容の見直しはもちろんですが、何よりもオンラインの操作や運営方法などを考えることが一番大変でした。そんな中、Glicoさんがオンラインを運営するノウハウや教室を行う上でのポイント等、たとえば、カメラに向かう目線の位置や、背景の工夫など具体的に丁寧に教えていただいたことがありがたかったです。

Q実際にCo育てプログラムを導入されていかがですか?また、今後はどのような子育て支援を行っていきたいとお考えでしょうか?

枚方市では新型コロナウイルスの影響により、4か月児健康診査が保健センターでの集団健診から、医療機関での個別健診に変更になったため、話を聞く機会がなく、オンラインで話がうかがえてよかったです。また、運営側としては、オンライン教室が形になり、ほっとしています。新型コロナウイルスの感染者が増えており、妊娠中から不安を感じている方も多いと思います。オンライン教室を多くの方に知っていただき、参加することで市民の方の不安の減少や解消につながれば嬉しいです。

また、「ひらかたdeオンライン産前産後クラス」の他にオンラインで個別に相談ができる「妊婦オンライン相談」も実施しています。また、どこでも気軽に視聴できるよう、離乳食のつくり方や従来のマタニティスクールで実施していた沐浴、おむつ交換の方法などの動画を作成し、Youtubeに掲載しているので、ぜひ参考にしてください

枚方市HP<マタニティスクール>

「ひらかたdeオンライン産前産後クラス」

これからも枚方市のCo育て、応援いたします!ありがとうございました!

「まちいく(育)パートナーシップ事業プロジェクトチーム」発足!~奈良県三宅町

奈良県三宅町は面積4.06㎢と日本で2番目に小さい町で、人口6,587人(令和元年)、出生数が30人と少子高齢化が進んでいる中、将来人口の減少を抑制する施策の1つとして「子育て支援」に積極的に取り組んでいらっしゃいます。「三宅町で子育てしたい」と思え、安心して子育てできるまちづくりを推進するため、三宅町役場内各課縦断した人員編成による「まちいく(育)パートナーシップ事業プロジェクトチーム」を立ち上げ子育て支援策を実施されています。Glicoとは2019年に連携協定を締結、三宅町Co育てPROJECTを実行されています。今回は、まちいくパートナーシップ事業プロジェクトチーム リーダー (三宅町健康子ども課 係長)松本理恵さんと、1歳の男の子を絶賛子育て中のパパである、森田浩司町長にもお話をうかがいました。

Q: まちいくパートナーシップ事業とはどのようなことをされていらっしゃるのでしょうか?

具体的には、
①Co育てプロジェクト(Co育てセミナー開催、父子クッキング教室の開催)
②オンライン医療相談(産婦人科医・小児科医オンライン相談)
③まちアート三宅町(光のパレード、ワークショップ、アートフェスタ等の開催)
④子育て共助シェアリングシステムづくり
など、「まちぐるみで子どもを育てる仕組みづくり」を基本目標に、行政だけでなく、大学・民間企業・NPOなど様々な機関のリソースを活用した子育て支援施策を実施しています。

Q.初実施されたCo育てプログラム「オフライン(会場実施)」と「オンライン」の 融合されたハイブリッドセミナーでしたね。 新しい取組みはいかがでしたか?

今回、オンラインと会場参加の併用であったこともあり、講師用パソコン、ホスト用パソコン、会場参加者用のパソコン、カメラ、集音マイク、スクリーン、プロジェクターなどの機器が多数あり、事前に配置、画面確認などを行いましたが、当日進行する際も操作に戸惑うこともあり、慣れるまでは正直難しいなと思いました。今回男性(パートナー)にもお越しいただけたことはとてもよかったです。今まで女性(ママ)とは、電話相談や訪問、子どもの健診など、様々な機会で接点を持つことが多かったのですが、男性(パートナー)と接点を持つ機会がほとんどないのが現状であり、セミナーを通して、夫婦の様子が見ることができ、母子の支援を行うなかで男性へのアプローチもしていきやすくなると思いました。

運営については、限られたマンパワー、予算であり、行政だけではできなかった取り組みが、企業のリソースを活用させていただくことで実現につなげられたと思っています。今後継続していくなかで、どのように連携していくべきか、課題を確認しながらより協働していけると、さらに充実した取り組みになるのではないかと思っています。

Q.ここからは、パパでもある森田町長にもお話をうかがいます! なんと町長ご自身がご家族と「Co育てプログラム」にご参加されていたそうですが、実際参加されてみていかがでしたか?

Co育てプログラムでは、同じテーマで話し合ったことで、夫婦だけでなく参加者同士も話しやすかったですし、他のパパママの意見も聞けてよかったです。また、セミナーの後の交流会では、妊娠期のご夫婦の、これから迎える出産・子育てに関する質問に、産後のご夫婦が先輩パパママとしてアドバイスしたり、パパママ同士でオンラインも活用し情報交換が出来たことが一番楽しかったです。妊娠中のことを思い出し、夫婦で話せたことも良かったです。
日々、育児や家事をできる限り協力をしています。Co育てプログラムに参加して、パパママで感じるところが違うことがわかりました。お互いの思いや考えを理解し、子どもの笑顔のために、夫婦で子育てをしていくためには、コミュニケーションが大事だと思います。

森田町長から、Co育てする皆さんにメッセージをお願いします!

長男が生まれてから、必要に応じて1日数十分から2時間程度早く帰る「時短育休」を実践しています。妻が妊娠し、ホルモンバランスで体調が日々変化するのを目の当たりにしました。妊娠中でこれだけしんどいなら、出産後はもっとしんどいはず、どうやって仕事と育児を両立するか考えた時、「時短育休」を取得することを決意しました。子育てはずっと続くものですから、期間は無期限としています。

 また、出産を経て、ジェンダーについて考えました。妻は35時間の難産で、本当に命がけで息子を産んでくれました。だから、男女を「平等」と捉えるのは違うと思います。同じことを同じように求めるべきではないと思います。育休にしても、男性は身体的なダメージはないけど、女性はけがをしているのと同じ状態で、子育てだけでなく自分の回復も含まれます。男性が家事をして、隣で女性が寝ていても休んでいるわけではない。回復のために必要な時間なのです。女性にこれほどの精神的、身体的な負担があることを、男性や周りの家族は忘れてはならないと強く思います。子育てには休みはないため、疲れていないか、困っていることは何か、Co育ての考え方を使ってコミュニケーションをとってお互いに理解し、協力し合うことが大事だと思います。

町長として、パパとしての実体験からくるメッセージをありがとうございました!

三宅町PRサイト

※三宅町との連携協定

様々な自治体で様々な子育ての課題や支援を行っている中、Co育てプログラムを活用いただき、「子育てがCo育てに」なる社会づくりを目指して、Co育てPROJECTはこれからも自治体の皆さまをサポートしていきます。