瀧口純輝さんの2021年度後半期レポート

プロのレーシングドライバーを志す子どもたちの第一歩をサポートするプログラムを2020年度から始動し、2021年度も継続して実施しました。2021年度は昨年度サポートした瀧口純輝(たきぐち じゅんき)さんに加え、2019年の“TAKUMA KIDS KART CHALLENGE(以下、TKKC)”優勝者、瀬川直人(せがわ なおと)さんもサポート。本年度は、瀧口純輝さん・瀬川直人さんが佐藤琢磨選手と個別で相談する機会を設け、2020年よりもさらにサポート内容を強化しました。

2020年から引き続き夢に向かって挑み続けた瀧口さん。2021年度の鈴鹿サーキットレーシングスクール(現;ホンダレーシングスクール)で学んだことや佐藤琢磨選手との面談など、想いを込めてレポートを書いてくださったのでご紹介します。

前半のレポートはコチラ

鈴鹿選手権(第6戦、第7戦)出場記録

WISEレーシング佐久間さんと写真を撮る瀧口選手

左:WISEレーシング佐久間様

鈴鹿選手権第6戦

鈴鹿選手権第6戦,Jr MAXクラスに参戦致しました。参戦カテゴリーは去年と同様Jr MAXクラスなのですが、フレームをトニーカートからドラゴコルセに変更しての参戦となりました。自分はドラゴコルセに乗ったことがなく、初めてのフレームだったのですごく楽しみだった反面、乗りこなせるのだろうか?ちゃんとドラゴコルセの持っているポテンシャルを引き出せるのだろうか?という心配でいっぱいでした。そしてもう1人のGlicoスカラシップドライバーである瀬川くんも参戦していたので緊張感Maxのレースでした。
いよいよレースウィーク。練習走行は金曜日から始まりました。
コースは水溜まりがたくさんあるレインコンディションでした。一日目の走行ではトニーカートに比べて固めのフレー厶のドラゴコルセにかなり苦戦してしまい、良い走りもできない、良いタイムも出ない。という残念な一日で終了してしまいました。
土曜日の前日練習も同様に最後のセッション以外はすべてレインコンディションでした。
ここで自分の課題である、向きの換えの意識が低く、アクセルが踏めず、速いドライバーに離される・抜かれるという最悪のドライビングをしてしまい、レース当日までに、何とか自分の意識を変えようと努力しました。

レースに出場する瀧口選手

レース当日

結果は、タイムトライアル15/23
予選17/23
決勝失格/23
という、本当に悔しく、残念な結果になってしまいました。
タイムトライアルはレインコンディションでした。向きの換えの意識が低く、タイムが全く出ずに後方スタートになってしまいました。
予選ではある程度路面が変わり、所々路面がドライになっていきました。ここでドラゴコルセ初のドライコンディションを走りました。自分の実力不足により、カートに合わせきれずにペースが全く上がらず、順位を落としてしまいました。
決勝は完全ドライになりました。
後方スタートだったのでスタート直後は接触に気をつけようと思ってスタートしました。しかし、前がクラッシュして道がなくなり自分もそこに当たってしまいストップしてしまいました。その後、諦めずに走ったのですが前に追いつけずレースが終了してしまいました。
しかも、重量が200g足りなくて失格という最悪の結果に終わってしまいました。このレースでは、応援してくださっていた沢山の方々に、本当に申し訳なく、情けないレースをしてしまいました。自分自身もものすごく悔しくて、次の鈴鹿選手権までに必ず意識を高く持って修正して結果を残そうと強く心に誓いました。

車に乗って写真撮影を行う瀧口選手

鈴鹿選手権第7戦

鈴鹿選手権第7戦も前回同様にJr MAXクラスにエントリーしました。今回は前回の悔しさをバネにして必ずいい結果を出そう!という強い気持ちで望みました。
練習走行は金曜から走行しました。練習走行からしっかり意識を強く持って走るとタイムもペースもいい状態で走れました。前日練習での新品タイヤでのアタックでは周りも新品をいれていたのですが全体トップタイムを出すことも出来ました!!
レース本番、結果は
タイムトライアル6/17
予選8/17
決勝4/17
でした!
タイムトライアルでは、前日からペースがあったので単独で走ろうと思い走っていましたが、前のドライバーに追いついてしまいアタックラップの最終コーナーでアクセルを抜かざる得なくなってしまい、タイムを出し切れませんでした。ポールを狙っていたので本当に悔しかったです。
予選ではスタート後の3コーナー、4コーナーで押されて前車に乗り上げてしまい、後方に下がってしまいました。ですが、今回は自分のペースに自信があったので、焦らず抜いていくことが出来ました。しかし、6番手の相手を抜こうとしたのですが、自分の入りが甘かった為接触をしてしまいました。そのせいでまたも後方に下がってしまい8番手チェッカーとなりました。ここでは自分のミスで相手にも迷惑をかけてしまったので、本当に申し訳ない気持ちで一杯でした。
決勝はスタートで2台をパスすることに成功し、前の2台のペースが良かったのでついて行こうとすると、その前の2台がもつれてしまい、僕の方に飛んできました。なんとか接触を回避しましたが大きく後退。なんとか巻き返して4番手まであがって最後の最後でトップ3に追いついたのですがそのまま4位でチェッカー。初入賞でうれしい反面、今回は優勝できるペースを持っていたので勝てなくてものすごく悔しかったです。

レースに出場する瀧口選手➁

今回のレースではなんとか入賞することが出来ました!今回のレースでは向きの換え方やブレーキなどをメカニックの佐久間さんに徹底的に見ていただいたおかげで自分のドライビングをかなり変えることができたと思います。この経験を活かして、最後のSRS-Kの卒業レースもがんばりたいと思います!!
鈴鹿選手権参戦にあたってサポートしていただきました、江崎グリコ様
with you JAPAN の飯澤様
WISEレーシングチーム 佐久間様
父、母、家族みんな
応援してくださった皆様
毎回感謝しています。ありがとうございました!
もっともっと上を目指せるように勉強して、ますます強くなって行きます。これからもどうぞよろしくお願い致します。       

ヘルメットを被って写真撮影を行う瀧口選手

~2021年の良点·改善点~

スタート位置でスタートを待つ瀧口選手

Photo by Hiroaki Matsumoto

今年度も鈴鹿レーシングスクール(SRS-K)を継続させていただき、鈴鹿選手権にも出場させていただいたおかけで、自分の走行のペースが上がりとても自信がつきました。鈴鹿サーキットレーシングスクールでは、フリー走行などでトップタイムを出せたり、12/19日に行われた卒業記念レースではペースがよくトップ争いに入る事ができ、予選ではファステストラップをたたき出すこともできたりするようになりました。今年は自分のペースをあげることが出来るようになった事と、ブレーキングの初期入力がかなり強く、マシンの挙動を乱してしまったり、ブレーキロックの影響により制動距離が長くなってしまったりすることが多々ありました。しかしSRSの練習や講師の方々、メカニックの佐久間さんにとことん教えていただいたお陰で、ブレーキでの挙動の乱しやブレーキロックが無くなって、短い距離で止まれるようになった事が今年の最も良かった点・改善された点です。
改善点は、集団に追いついたり、飲み込まれてしまったりした時に、相手のペースに合わせすぎてしまい、自分の良かったペースを自ら崩してしまい、前に追い着ききれない事です。前を追いかけないといけないのにも関わらず、直ぐに抜こうとしてしまい、前に離されて順位を上げきれなかったり、順位を落としてしまったりするなどの失敗を多々繰り返してしまいました。これらの点が僕の悪い点・改善点だと考えています。
これらが今年の良かった点·改善点です。

佐藤琢磨さんと2ショットをとる瀧口選手

~佐藤琢磨先生との面談~

12月18日に、鈴鹿レーシングスクールの校長でもあり、TAKUMA KIDS KART CHALLENGEの主宰でもある佐藤琢磨さんと面談をさせて頂きました。
自分の現段階の改善点や今年度のレースの結果報告、来年の抱負など僕の熱い思いなどを佐藤琢磨先生にお伝えし、佐藤琢磨先生からは沢山のアドバイスを頂きました。佐藤琢磨先生とのお話の中で一番心に残っているのが
「自分が走っていない間の時間がどれほど大切か」
ということです。
自分は周りよりもレース経験が少ないので余計に走っていない間に何をするかというのを考えて走らないといけない。という事を教えて頂き、凄く心に響きました。来年度は鈴鹿選手権に参戦し、優勝。そして出場クラスでのシリーズチャンピオンを目指す事を目標にしていることを佐藤琢磨先生にお伝えしました。とてもあたたか激励を頂きました。佐藤琢磨先生、お忙しい中、僕に大切なお時間を頂き本当にありがとうございました。

他の選手たちと集合写真をとる瀧口選手

Photo by Hiroaki Matsumoto

~2022年の抱負~

2022年の抱負は、佐藤琢磨先生との面談でお話しさせていただいた通り、鈴鹿選手権に出場し、優勝·出場クラスでのシリーズチャンピオンの獲得を成し遂げたいと思っております!!
2021年での最終戦では4位入賞と非常に悔しい気持ちで一杯のレースでした。自分でも何が悪かったのか、理由を明確に理解しているので、そこを完璧に直し、自分のペースを活かし、優勝・出場クラスでのシリーズチャンピオンを勝ち取りたいと思っております。

車に乗り写真撮影を行う瀧口選手

最後になりましたが、この1年間僕のことを支えてくださいました、
江崎グリコ様
With you JAPAN 飯沢様
メカニックサポートをして下さいました
WISEレーシングチーム 佐久間様
レーシングギアでいつもお世話になっております スターファイブ 高崎様
いつも僕を励まし、支え応援してくれる SRS-Kの同期の選手のみんな
いつも僕に叱咤激励を下さる皆様
そして一番近くで僕を支えてくれる父、母、家族のみんな
本当に本当にありがとうございました!言葉では言い尽くせません。
来年は必ず優勝、シリーズチャンピオンを目指して全身全霊で頑張りますので、どうか見守っていてください。
本当に皆様、ありがとうございました!!

                              瀧口純輝