瀬川直人さんの2021年度後半期レポート
プロのレーシングドライバーを志す子どもたちの第一歩をサポートするプログラムを2020年度から始動し、2021年度も継続して実施しました。2021年度は昨年度サポートした瀧口純輝(たきぐち じゅんき)さんに加え、2019年の“TAKUMA KIDS KART CHALLENGE(以下、TKKC)”優勝者、瀬川直人(せがわ なおと)さんもサポート。本年度は、瀧口純輝さん・瀬川直人さんが佐藤琢磨選手と個別で相談する機会を設け、2020年よりもさらにサポート内容を強化しました。
1年間本気で夢に向かって挑戦した瀬川さん。2021年度の鈴鹿サーキットレーシングスクール(現;ホンダレーシングスクール)で学んだことや、全日本選手権で経験したこと、さらには佐藤琢磨選手との面談など、丁寧に想いを込めてレポートを書いてくださったのでご紹介します。
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SRS-K 第4回スクール
2021年5月4日~2021年5月5日
今回のスクールは、2日目がレインコンディションでした。レンタルカートのカデットクラスのカートに乗っている時はあまり感じなかったのですが、このJr MAXでのレインコンディションであまり速く走れないと感じていました。だから今回のSRS-Kではレインコンディションで速く走ることを課題として練習しました。コーナー立ち上がりでアクセルを一気に踏むのではなく、エンジン回転数に合わせる踏み方になるように気を付けました。そうするとリアタイヤの空転をあまりさせずにコーナーを立ち上がることができました。しかし、レインコンディションでのコーナーでの縁石の使い方があまり良くなく、縁石に乗った後の着地でバランスを乱してロスをする走りになってしまいました。
SRS-K 第5回スクール
2021年7月3日~2021年7月4日
今回のスクールは、1日目雨時々曇り、2日目が曇りで色々なコンディションで走行することになりました。SRS-Kに来ている同期生は皆速く、オーバーテイクすることが簡単にできません。今回のスクールでは何とか前走車のインに飛び込めるようにコーナー手前のブレーキングを課題としました。講師の方々からもっとブレーキを強く短く終わらせるという指導があったのでこれを心がけて練習してみました。今回のスクールでのコンディションが難しかったこともあるかもしれませんが、ブレーキングについてはこれだ!といえるような感覚にまでにはなりませんでした。今回も前走車のインを刺しオーバーテイクを決めることはできませんでした。
SRS-K 第6回スクール
2021年7月27日~2021年7月29日
今回のスクールは、晴れのコンディションでした。前回のスクールでオーバーテイクする事を課題にしていましたが、上手くできなかったので今回のスクールでもオーバーテイクする事を課題にしました。オーバーテイクするにはコーナー手前迄に前走車との間合いをブレーキングで刺せる距離まで縮めておく必要があります。そこまではできるけど、前走車のインに飛び込むには接触するかもしれないと思う恐怖に打ち勝つ必要があります。Jr MAXの速度は速く、鈴鹿南コースも速度の高いコースなのでその恐怖は、かなり僕にとって大きく感じています。それでも今回のスクールでは数回だけど躊躇せず前走車のインに飛び込む事ができました。ブレーキングについてもロックするかしないかの調整も丁寧にできました。ただ、今回のスクールで使用された3種類のタイヤに合わせた走り方は、あまり上手くできませんでした。
SRS-K 第7回スクール
スクールの期間は8/10(火)~11(水)で、週末の8/15日曜日に参戦する予定の鈴鹿選手権 第5戦で少しでも順位を上げられるようにと思い、今回の目標は“安定したラップタイムで走行する”にしました。スクールでの模擬レースでラップタイムが安定せず抜かれることが多かったからです。模擬レースでスタートダッシュを決めることができ、ここでは順位をひとつあげることができました。南コース奥のヘアピンコーナーでは、先行車のインに入ることができたが、マシンを止めきれず相手にクロスラインをとられて再度抜かれました。ただ、低速コーナーのボトムを上げてのコーナリングができるようになったと思います。目標としていた“安定したラップタイム”は以前よりは良くなりましたが、上位生徒に比べるとまだまだできていないと思いました。
鈴鹿選手権 第5戦
Jr MAXでの初のレース“鈴鹿選手権 第5戦”に参戦することになりました。マイカートを持たない僕がこのレースに出場できるのは、三重ルートワンサーキットの菊池さん、エイワ・レーシング・サービス(ERS)山本さんのおかげです。8/13(金)からレース当日の8/15(日)までERSのガレージでお世話になりました。
8/13(金) の練習走行
この日はレイン走行でしたが、以前のレイン走行よりも速いラインを通れて、いつもよりグリップを感じることができコーナー入口と立ち上がりでの危ない感じが無く安定感が増した気がしました。縁石の乗り方も少し上手くなってコーナーを曲がりやすくなりました。また、コーナー進入時のブレーキングポイントをちょっと無理していつもより奥にすることができ、少しだけ速く走ることができました。
8/14(土) の練習走行
この日もレイン走行でした。コーナー進入時のステアリング操作を一瞬だけ90度切ってマシンの向きを変えて立ち上がるとホイルスピンせずに速く立ち上がれました。アクセル操作も、エンジンのパワーバンドに来る前に50%踏んで、パワーバンドに着た瞬間に30%に戻し、そのあとはゆっくりアクセルを踏んで立ち上がることでホイルスピンさせずに速く立ち上ることができました。
8/15(日) 予選タイムアタック
いよいよ今日はレースで、初レースの予選タイムアタックは結構な雨の量で始まりました。5分間練習走行でそのまま引き続き5分間のタイムアタックでした。丁寧に走り安定感を重視し、その中でも出来るだけ走りに乱れが出ない自分のギリギリ限界で走りました。そうすることでコーナーの入口・途中・立ち上がりで一切滑らせず走らせることができました。走行中は当然自分のラップタイムは分からなかったのですが、ピットに戻ってくるとメカニックの杉山さんが、「トップタイムやで」と教えてくれました。まさか自分が初レースでポールポジションをとれるとは思ってもいなかったのですごくうれしかったです。
8/15(日) 予選ヒート
朝一番の練習走行と予選タイムアタックでJr MAX初レースでのポールポジションからのスタートとなりました。
予選ヒートは路面がちょい濡れで、特にS字とクランクと最終が難しいコンディションでした。ピットで整列して待っている時、自分の名前と初のJr MAXレースの選手がポールスタート!というアナウンスが聞こえてきました。6位の選手紹介が済んだところでいよいよローリング開始となりました。ローリング2周目でスタートし、すぐに1コーナー進入でSRS-K同期生の2台に抜かれ3番手までポジションを落とてしまいした。シグナルがブラックアウトした直後のアクセルオンでほんの少しエンジンがカブリ気味になり加速が鈍ったからです。3コーナーでもう一台に抜かれて4番手まで落ちました。その後、奥のヘアピンを立ち上がり重視のラインで3番手選手と並びかけシケインでオーバーテイクし3番手に戻しました。
2周目に前走車の1位2位の車両がシケイン立ち上がりでコース外にはらみ2番手に浮上しました。3周目、1位の車両を追いかけなければならないのですが、後ろ3番手4番手の選手にすぐそこまで迫ってこられました。1位を走行しているのは、SRS-Kの同期生で既に今年のJr MAXのチャンピォンになっている西田選手。後方3番手はSRS-K同期生の中井選手。4番手は今年のランキング2位の岸選手でした。
4周目にSRS-K同期生の中井選手に抜かれて3番手に落ち、直ぐ後方にランキング2位の岸選手が迫ってきました。その後引き離すことができずに7周目のS字で岸選手に抜かれ4番手になりましたが、岸選手にビタ付けでついていきます。8周目、岸選手にクロスラインで並ぼうとするがアクセルを踏みすぎてかぶって立ち上がりが鈍ったのでオーバーテイクするには至らず、予選ヒートは4位フィニッシュとなりました。
8/15(日) 決勝
決勝は路面が乾きドライでのレースで、4番手スタートとなりました。1周目、ローリングスタート後すぐの1コーナー進入は、中井選手のインを伺うが接触しそうになってスタート順位のまま。結果的に無難に事故無く通過できましたが、もう少しで3番手に並びかけることができたと思います。後方では、4台が絡む接触があったことを思うと、まずまずのスタートでした。その後、奥のヘアピンの立ち上がりが悪く、後方の迫選手にシケインで抜かれ5番手に落ちました。迫選手は、ランキング3位、そして同じERSで、去年はSRS-Kに居た選手です。最終コーナーで後続の選手に並びかけられ少し接触しましたが、うまく抑えることが出来ました。
2周目。この時点で1位中井選手、2位岸選手、3位西田選手、4位迫選手、5位瀬川。4番手を走る迫選手に少し離されました。
3周目。最終コーナーで前方の西田選手、迫選手が、岸選手を抜いていました。前でバトルがあったのでて少し前に近づくことができました。
4周目。4番手の岸選手が1コーナーでブロックラインに入ったので岸選手に接近できました。何とか抜きたいと思ったのでビタ付けでヘアピンまで行き、進入で岸選手をかわして、4番手に浮上しました。
5周目、6周目。迫選手に迫りたいと思っていましたが、ペースが上がらなくて詰めることができず、後続の岸選手に詰められビタ付けにされてしまいました。
7周目。4コーナーでとうとう岸選手に抜かれ、5番手に落ちてしまいました。抜かれた後、場所によっては僕のほうが速いのですが、オーバーテイクはできませんでした。
8周目。岸選手と僕は拮抗していましたが、オーバーテイクはできない。そこに後続の佐藤選手が絡んでくる難しいレースになってきました。そうこうしているうちに先行する1位、2位、3位の選手が離れていきました。岸選手は、” 前3台を追いかけよう”という合図を送ってきたが、これを受け入れる状況ではないと判断し岸選手をプッシュし続けることにしました。3コーナーで岸選手をコーナーアプローチにきついライン取りにさせて失速した所を抜くつもりでしたが、岸選手が上手くリカバリーして抜くことはできませんでした。その抜けなかった奥のヘアピン立ち上がりで僕が失速し、6番手佐藤選手にさらにビタ付けされてしまいました。
9周目も岸選手と僕は拮抗していたが、10周目、3コーナーで岸選手を抜くことに気を取られ後続の佐藤選手に抜かれ6番手に落ちてしまいました。
11周目、12周目。前の佐藤選手に追いつきたかったのですが、バトルまでには及びませんでした。
13周目。先行する1位、2位、3位の選手のレース展開は上手く、3選手が絡む展開に持ち込んでいました。僕は、何とか5番手をとり返そうとしましたが、オーバーテイクできませんでした。
14周目。3位を走行していた西田選手は、最終周1コーナーで1位になり奥のヘアピンでまた3位に落ちるも、また最終コーナーで1位になってフィニッシュしていました。僕は、最終コーナー立ち上がりで佐藤選手に並びかけるもオーバーテイク出来ず、6位フィニッシュとなったのですが、レース後の車検で3位の迫選手の降格により決勝の結果は、5位となりました。
予選ヒート、決勝の走りについてレース後、色々な人に意見を聞きました。ERSの山本龍司さんは、ブロックするタイミングが良くない。ブロックするのが早すぎたからトップ集団に逃げられた、とアドバイスをくれました。また、予選タイムでポールを獲ったことは、ドライバーとしてその日一番速いことの証明だからすごく良い、とも言ってもらえました。SRS-K講師のケビンさんは、終盤まで隊列で走って残り5~3周くらいから仕掛けたら賢いレースができるとアドバイスをくれました。GTドライバーの関口雄飛さんには、初レースなのに良い走りをしているけど、ドライ路面で少し遅いとアドバイスをもらいました。
自分としては、まだバトルを仕掛けるほど走りに余裕がなかったことや、トップ集団がよくやっている後ろのドライバーが入りたいけど入れないラインで走る、ということが中途半端になってしまったから抜かれたのだと思いました。また、マシンセッティングも立ち上がりが良くなるようなセッティングにレース前に気付ければ良かったと思います。
右:瀬川さんのお父様・左:瀬川さん
SRS-K 第8回スクール
2021年8月24日~26日は、コロナの影響で延期となりました。
SRS-K 第9回スクール
2021年9月23日
今回のスクールは、当日の体調不良で残念ながら欠席となりました。
SRS-K 第8回延期分① スクール
2021年10月9日~2021年10月10日
今回のスクールは、1日目が晴れ時々曇り、2日目が小雨のち曇りで色々なコンディションで走行することになりました。SRS-Kのスクールも残り少なくなってきたので、今回のスクールの課題は、模擬レースで少しでも上位に上がって上位レベルの同期生と走ることでした。1日目の午後の模擬レースでは、前走車が乱れたところでオーバーテイクして順位を上げた後、中野副校長の後ろをレースペース乱さず、かなりの間ついていくことができました。リアを滑らさず内圧を上げずに走ることができました。SRS-Kに来ている同期生は皆速く、オーバーテイクすることが簡単にできません。今回のスクールでは何とか前走車のインに飛び込めるようにコーナー手前のブレーキングを課題としました。講師の方々からもっとブレーキを強く短く終わらせるという指導があったのでこれを心がけて練習してみました。今回のスクールでのコンディションが難しかったこともあるかもしれませんが、ブレーキングについてはこれだ!といえるような感覚にまでにはなりませんでした。今回も前走車のインを刺しオーバーテイクを決めることはできませんでした。
右:瀬川さん・左:SRSのスクール生
SRS-K 第10回スクール
2021年10月23日~2021年10月24日
今回のスクールは、2日とも晴れのコンディションでした。今回は、ラップタイムを上げる、バトルの練習をする、模擬レースで6位以内に入る、をスクールの課題にしました。上位集団で走るにはラップタイムが速くないといけないし、その集団の中でバトルも必要になると思ったからです。1日目の模擬レースでは、目標の6位以内ではなかったけど他のドライバーとバトルしながら13番手スタートから7位までなんとか上げられました。今までなら周毎にペースがバラついてバトルできる距離になりにくかったけれど、今回はバトルできる距離に居ることが多かったです。2日間通していつも以上に他のドライバーに積極的に絡んでバトルできたと思います。ただ、他のドライバーに積極的に絡んでいったことで、いつもより大きな接触になって順位を落としてしまったり、コースオフにつながってしまったりして、結果的に順位を上げられませんでした。上位生徒のようにオーバーテイクを上手く決められませんでした。また、2日目の20周レースのスターティンググリッドを決めるくじ引きも3番目にひかせてもらったのに、10番手スタートだったので引きの弱さを感じました。
SRS-K 第8回延期分② スクール
2021年11月3日
今回のスクールは、晴れのコンディションでした。今回、模擬レースで6位以内に入る、コーナーで前走車のインに飛び込む、をスクールの課題にしました。今回僕のマシンに割り当てられたエンジン(SRS-Kでは毎回エンジンをシャッフルする)の最高速が少し遅かったのでステアリング操作を丁寧にして抵抗を少なくしようとしていましたが、午前よりも午後は少し操作が荒くなってしまいました。その結果ラップタイムの幅が午前中は、0.2秒くらいの範囲でおさまっていたけど、午後は0.3秒くらいの範囲になっていました。今回のスクールの3回の模擬レースでは、ローリングスタート直後の1コーナーで2、3台に抜かれてから追いかけるという展開ばかりでした。
今回のスクールのエンジンは、最高速が114キロでいつもより2キロ程伸びなかったので、コーナーでのハンドル操作の切り足し・戻し回数を少なく丁寧に操作して抵抗を少なくしました。立ち上がりの加速ももっさりしていたので立ち上がり重視のラインを狙わず、コーナー進入をいつもより突っ込んで何とかラップタイムを縮めようとしていると、今度使えそうな走行ラインを見つけることができました。
SRS-K 第11回スクール
2021年11月6日~2021年11月7日
今回のスクールは、2日とも晴れのコンディションでした。いよいよ次回が、修了レースなのでそこで上位に入りたいので今回も前走車のインに飛込んでオーバーテイクを決める、ことを課題にしました。11/3のスクールでつかんだ感覚を上手く再現できて、11/6の順走の1コーナーで1回、11/7の逆走の1コーナーで5回、奥のヘアピンで3回オーバーテイクできました。今回の搭載エンジンも11/3と最高速が同じ114キロでいつもより2キロ程伸びなかったけど、スリップを使うと120キロまで伸ばすことができました。スクール終了直前になったけど、Jr MAXでのオーバーテイクの感覚をつかんだ気がしました。
しかし、結果的には模擬レースで6位以内に入れませんでした。オーバーテイクできてもレースの結果としては下位争いをしている。スリップを使っての最高速を出しても結局レースの結果が悪かった。11/7の最終の順走模擬レースでは、競り合ったあと接触した時にビートストッパーのゆるみが発生して空気圧が下がったのでレースすることができませんでした。自分なりにレース展開、位置取り、走りの組み立てを考えたけど結果につながりませんでした。
SRS-K 第12回スクール
2021年12月18日~2021年12月19日
いよいよ終了レースとなりました。今回のスクールは、1日目はなんと雪が降り、ほとんど一日ウエットコンディションで、2日目は、晴れのコンディションでした。1日目がウエットコンディションという厳しい状況だったのでまずは、1日目にマシンを壊さず練習し、2日目の終了レースを迎えることを目標にしました。2日目の天気予報は晴れでした。
1日目
この日のほとんどをウエットコンディションの中でスリックタイヤを履く“雨スリ”での練習でした。雨スリの立ち上りはタイヤがスリップするので加速しにくいのですが、今回はいつもの雨スリ練習よりもトラクションをかけて加速できました。この日は、コースオフはしたけれど、マシンをクラッシュさせたりせず終えることができました。レインタイヤに履き替えての走行では、タイヤを上手く使いこなせませんでした。
奥:佐藤琢磨さん・手前:瀬川さん
2日目 練習走行・タイムアタック
この日の朝イチの練習走行では講師、アドバンスを含めた15台中5番手タイムでした。練習走行ではタイヤの内圧をかなり上げたことで良いタイムが出せたのでタイムアタックではもう少し内圧を上げて、タイヤを無理にこじらずタイヤ温度が上がった周を狙ってタイムを狙いに行きました。マシンを左右に振ったりしてタイヤをこじればタイヤ温度が上がるのですが、決勝時にタイヤグリップが無くなる可能性があるのでタイムアタックの時は、数周普通に走って上がってくるタイヤ温度・グリップ感を狙って、自分が思うベストな状況でタイムアタックでき、この日の自己ベストラップを出すことができました。しかし、タイムアタックの順位は10番手でしたが、決勝にむけてタイヤは傷めずに済みました。
予選ヒート
予選ヒートは、10位スタートでしたが、スタートで順位を一つ落として11位。3周目で一つポジションを上げて10位。後半先頭集団のうち一台が接触スピンしたことで1つポジションを上げて結果9位でした。
決勝
予選ヒート9位でしたが、他のドライバーの降格でさらに1つポジションアップの8位スタートでした。スタート直後1コーナーで3台クラッシュ。僕は、クラッシュ時の周りの動きを予想して位置決めできたので巻き込まれませんでした。しかし、2台に挟まれ、行き場がなくなってしまいました。そのまま頑張りすぎるとクラッシュする可能性があったので、その場は引いて2台に抜かれました。次の3コーナーで抜こうと思っていましたが、上手くいきませんでした。
レース中、1周どのコーナーも全部上手くいって前走車にかなり近づいてオーバーテイク出来そうな距離に入れましたが、結局抜けませんでした。1コーナー旋回中のブレーキもいつもよりかなり残しても、2コーナーに影響させずに走れました。ブレーキングで突っ込むことができましたが、いつもよりブレーキを酷使したのでレース後半ブレーキが効きづらくなりました。修了レースの結果は10位でした。
今年を振り返って
SRS-Kのスクールに入る時は期待もありましたが、かなり不安もありました。その不安を少しでもなくそうと開校前にJr MAXでの練習もして、開校後もスクール以外で練習しました。カートアドバンスに上がることを目標として頑張ってきましたが、目標達成できませんでした。
普通ならレンタルカートに乗るだけで終わるところ、レーシングカートで日本のトップレベルを走る人たちやその環境で9か月間も過ごせたことはとても素晴らしい経験となりました。また、鈴鹿選手権第5戦に出場し、ポールポジションを獲ることもでき少しだけ自信もつきました。
2021TKKCアカデミーにお手伝いに行ったときに佐藤琢磨校長との面談の時間を頂きました。その時に本当に色々な話ができました。その中でとても頭に残った内容が、カテゴリーが変わっても重要なのは、タイヤをどれだけ理解し、使いこなせるかを追求することが大切で、それを一番身につけることができるのが“カート”というカテゴリーとおっしゃったことでした。琢磨校長の経歴では、カートに乗っている期間はとても短いので意外なお話しに思えました。しかし、そうではなくカートに乗ってもっとタイヤのことを追求していればその後のレース活動であんなに苦労せずに済んだ、ということを仰っていました。その話を聞いて更にこの9ヶ月間のSRS-Kでのカートの経験は貴重で素晴らしい経験だったと思います。
今年Glicoさんのサポートを受けることができて、なかなか経験できないような環境を作ってもらいとても感謝しています。また、SRS-Kでは、琢磨校長、中野信治副校長、塚越広大講師やテクニカルセンターの荒川さん、田中さん、宮本さん、その他スタッフの皆様、9カ月間ありがとうございました。Jr MAXの段取りをしていただいた三重ルートワンサーキットの菊池さん、ありがとうございました。Jr MAXでの練習、鈴鹿選手権のレースでお世話になったエイワ・レーシング・サービス(ERS)山本さんありがとうございました。TKKCから今の状況へ橋渡ししていただいた飯沢さん、スポーツビズの荒川さん、その他僕をサポートしていただいた皆様、ありがとうございました。
僕のような普通の小学生でも練習して挑戦すれば本格的なモータースポーツの入口に行くことが出来るイベントが「琢磨キッズカートチャレンジ」だと思います。立ち上げて頂いた琢磨校長、Glicoさん、飯沢さん、その他関係者の方々、本当にありがとうございます。
今まで、そしてこれからも応援してくれている方々に感謝します。ありがとうございました。
【プロフィール】
名前:瀬川 直人(せがわ なおと)
年齢:12歳
出身地:大阪府
カートを始めた年齢:8歳(小学2年生)
8歳からカートをはじめ、TAKUMA KIDS KART CHALLENGE2019にて優勝するなど優秀な成績を収める。鈴鹿サーキットレーシングスクール(SRS)のカートベーシッククラスの2021年度入校試験をクリア。2021年3月よりSRSのカートプログラム(SRS-K)に参加し、さらなるスキルアップやカートの知識を習得中。 その他2021年2月からJuniorDriveに参加しドライビングシミュレーター、86、SuperFJにより4輪の練習中。
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