濱邉誠己さんの2022年度後半期活動レポート
7月にフランスで行われたレンタルカートの世界大会の後、沢山のことに挑戦してきました。
世界大会が終わってすぐはとてつもなく悔しくてレンタルカートの世界大会にもう一度リベンジがしたいと思っていました。
ですがやはり先のことを考えた時にレンタルカートを追いかけ続けることとフォーミュラの練習に集中すること、どっちのほうが自分のためになるかを考えてフォーミュラの練習に専念することに決めました。
そのためフォーミュラで年の近い選手達に負けないための練習をたくさんしました。
シミュレータを用いてiRacingやF1 22、Assetto Corsaなどいくつかの種類で最も有効的で効果的な練習をしました。
フォーミュラの車両に乗り込む濱邉選手
8月にフォーミュラ走行が筑波サーキットTC1000で控えていたので、まずはiRacingでTC1000にを似た規格のフォーミュラを使用し、実際を想定した練習したり、F1 22でハイスピード下のでのマシンコントロール力を鍛えたりしました。
そして迎えたフォーミュラ走行では12分を5セッション走りました。
1本目では慎重に滅多に乗れないマシンのフィーリングを最大限受け取って走り、少しずつマシンの限界に挑戦していきました。
2本目3本目でTC1000でのFJという車の上手な走らせ方動かし方を自分なりに理論を出しながらトライしてみました。
4本目の前にフォーミュラ走行でお世話になっているELEV Racing Dreamの代表前田さんと自分のオンボードを見比べて、どこをどう変えたらいいのかを教えていただきながらたくさんトライできました。
4本目で走りは激変していきました。これまでずっと抜けなかったカートの癖や悪いくせが抜けてきて一気にフォーミュラに適した乗り方になってきました。
ですが5本目では疲れが出てきてしまい、走り方が荒くなってしまってアクセルオンがラフになってしまいました。
カートは4輪ほど丁寧なアクセル操作が求められないことが多いのでまだそこになれていないことがこれからの課題であると気づくことができました。
このフォーミュラの練習でこれまで自分の中にあったカートの乗り方とこの日気付けたフォーミュラの乗り方がしっかり区別がつき、2通りに分けることができました。
フォーミュラの練習に取り組む濱邉選手(写真中央)
それからはサーキットに行ける機会があまり作れなかったため、もう一度フォーミュラに乗るときを見据えてシミュレータトレーニングをしました。
そこでF1 22を使った練習として、F1マシンでハイダウンフォースマシンの練習とF2マシンの重い車を曲げる練習を交互に行っていた時にF2 シンガポール(市街地)雨というとても難しい状況のタイムアタックで、なんとタイムランキング世界ランク世界一位を取ることができました。
その他にもiRacingのレースに参加した時に全日本カート選手権のドライバーやフェルナンドアロンソ選手とレースを経験することもできました。
多種類の車、コースで乗ったときの適応や最適解を見つける速さはすでにトップレーサー顔負けの武器になったと思っています。
そして11月19,20日、毎年ほんとに楽しみにしてるTakuma Kids Kart Challenge がありました。
今年もFINALのテストドライバーや選手達に最も近い先輩という立場からアドバイスをさせていただける立ち位置で活動させていただきました。
TKKCファイナル大会で参加者の子供たちにレクチャーをする濱邉選手(写真中央)
まず19日のテストドライブ、マシン差を無くすための走行は同じ車でも乗るたびフィーリングが変わってしまったりとても大変なものでしたが、何回乗っても全く同じ乗り方で同じ走りを何時間も続けて、的確なフィードバックを送るというこれから先のレース活動にとても役に立つ必要な力を伸ばすことができる素晴らしい機会でした。
その中で琢磨先生にレースをしている人にしかわからない貴重な話を聞くこともできました。
そして日が落ちる頃、琢磨先生と二人で走ってマシン差がないかやバトルが充分にできるのかの確認走行をさせてもらえて、とても刺激的で本当に貴重な最高の体験でした。
琢磨先生と走ったバトルは世界大会で共に戦ったジュニアドライバーよりも断然上手く、一瞬の隙もない走りで、ずっと長年乗ってきたカートだったのにワンミスをしてしまいぶっちぎられてしまうという本当にワクワクする経験になりました。
僕のほうがマシンの理解度はあってもコースの使い方が琢磨先生は圧倒的に優れていると気付きました。
プロになって琢磨先生のように海外でかがやくためには、たとえ15歳でも15歳に必要な技量にまだまだ到達していないと改めて痛感しました。そして自分の将来に対する期待も僕の中で最高潮となり、本当に頑張ろうとこれまで以上に思いました。
TKKCファイナル大会で佐藤琢磨選手にアドバイスを仰ぐ濱邉選手(写真右)
この日から次、フォーミュラに乗る日までの12日間を必死でシミュレータを走り込みました。
12月2日にまた筑波サーキットTC1000でFJに乗りました。
この日は15分4セッションでした。
1本目から勢いのある攻めた走りをしていけました。タイムも序盤は一個上のカテゴリーの車よりも速いタイムで走れるほど自信を持って走れるようになっていました。
2本目ではブレーキトラブルが発生し、だんだんとブレーキが抜けていって次のコーナーでまた元に戻るというのが特にハードブレーキのコーナーで起き、満足には走れず終わってしまいました。
原因はわかっていながら直すことができない状況で、普通の人ならそこでもう終わりにしていたという中、ELEV Racing Dreamの代表前田さんが僕を信用してくれて応急の対処法を教えてくれ、走行続行の許可を出してくれました。
3本目4本目でトラブルの中でタイヤも使い切った終わったタイヤだったためとてもトリッキーな挙動になっていましたが、その中でできる走りをしたところでELEV Racing Dreamの代表前田さんが教えてくれたことは、ステアリング操作が丁寧だからタイヤを使い切れてないということでした。
僕の中ではカートの癖が完全に抜けて、意識していたことが出来ていたということを表していました。
その中で最終コーナーの走り方のコツを掴んだり、この日はこれまでで一番自分がレベルアップできた日になり、自信もつきました。
その2日後、12月4日にTakuma Kids Kart Challenge Academyが千葉にある新東京サーキットで行われました。
まず開会式で琢磨先生のお話の中で高い壁を超えるためには階段を置くことが大切で、その階段とは一個一個の目標を達成していくことだよ、という話が僕の心に響きました。
その後の練習走行の時間で小野原悠選手のカートをお借りし4年ぶりのサーキット、1年ぶりのレーシングカート、初めて乗るマシンでとても良い走りができました。
タイムで見るとなんとレースに出てもまともに戦えるレベルの速さがポンと出せていました。
これもフォーミュラトレーニングなどのやってきたことが活きたもので、まるでFINAL大会の琢磨先生のように順応ができたんじゃないかとさらに自信になりました。
さらにはスラロームの練習をみて改めて基礎を思い出し、考えてみたり、琢磨先生の異次元なサーキット順応のキーポイントが少しわかった気がしました。
TKKCアカデミーでテスト走行を行う濱邉選手
TKKCアカデミーで参加者の子供にアドバイスする濱邉選手(写真右)
この一年間、これまでやってきたことと大きく異なった活動をした一年間でした。
カートの世界大会でアウェイで活躍したり、自分の力を100%発揮する難しさ、カートとフォーミュラの圧倒的な乗り方の違い、
シミュレータで得た人の走りをコピーする力、知らない車やコースに順応する力、長時間走行で集中を切らさず常に良い状態で走る力、
そして的確で間違いのないフィードバックを送る感覚やコメント力、さまざまなこの先に有効的に使える、必要になってくる力が15年間で最も成長した一年になりました。
そして今年一年間F1、SF、GT、Indyなど様々な最高峰のレースシリーズを見たり、特にTCMで毎年琢磨先生がIndyに参戦する日本人をずっと待っていると言っていたことや毎年非常にワクワクする1年のレース振り返りを見て、これまで琢磨先生をリスペクトしているからこそF1をめざしていましたが、僕はIndy car seriesを目指すと決めました
これからは今までずっと続けてきて、4度の日本チャンピオン、全国大会の初代王者、世界大会日本人初の3位表彰台、Takuma Kids Kart Challenge FINAL優勝など
様々な結果を出したレンタルカートをここで区切りをつけて、本気でインディードライバーになるために全力でフォーミュラの練習をしていきます。
来年からは日本でジュニアフォーミュラとして使われているS-FJを使ってTC2000で実車の練習をします。
さらにシミュレータで自分の走行データをもとに走りを解析して、さらにドライビングでレベルアップしていくために取り組んでいきます。
日本でデビューしても、アメリカに渡ったとしても通用する力をつけていくことを目標にこれからもたくさんのことに挑戦していこうと思います。
最後に今年一年サポートをしてくださった江崎グリコ様、本当にありがとうございました。素晴らしい経験の数々で成長に大きくつながった最高の一年でした!
そして常にサポートしてくれたお父さん、お母さん、お姉ちゃん、フォーミュラトレーニングをはじめたくさんのことを教えてくれたELEV Racing Dream代表の前田さん、
僕の活動を応援してくれた皆様、本当にありがとうございました!!
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