濱邉 誠己さんの2024年度第1回レポート

カートに乗る濱邉 誠己さん

Glicoは、プロのレーシングドライバーを目指してTAKUMA KIDS KART CHALLENGE(タクマ キッズカートチャレンジ)に参加する子どもたちのために、もっと支援できることがないかと考えました。プロのレーシングドライバーになるには、相当な厳しい道のりと狭き門をくぐり抜けなければなりません。Glicoは、佐藤 琢磨選手と検討を重ね、子どもたちの夢への第一歩をサポートするプログラムを2020年より始動しました。
2024年度は小野原 悠さん、濱邉 誠己さん、黄 海仁(ファン ヘイン)さんに加え、2023年TAKUMA KIDS KART CHALLENGE アカデミーで優勝した井口 雄翔さんの活動をサポートしています。
4選手それぞれが将来の夢に向かって挑戦する様子を、各選手からレポートをいただきましたのでご紹介いたします。

【濱邉 誠己さんの2024年度第1回レポート】
・・・・・以下、レポート内容・・・・・

(ページ上部の画像は主催Robocop様に撮影いただいたオンラインレース中の模様です。)

1. 現在の夢や、2024年度、引き続きスカラシップ生になった想いなどについて

2017年卒業生の濵邊誠己です。
今年もスカラシップ生に選んでいただきありがとうございます。
スカラシップ生としてサポートしていただけることで僕の夢に向かって全力で挑戦できることにとても感謝しています。

僕の将来の夢はF1やインディカーの世界で佐藤琢磨先生を超える活躍をする世界のトップドライバーになることです。

僕はその夢を目指してフォーミュラの入門カテゴリーであるスーパーFJのレースに来年出場しようと考えていて筑波サーキットで実際のスーパーFJのマシンで練習を行っています。

今年も引き続き筑波サーキットでの実車でのトレーニングに加えスポーツランドSUGOでも練習走行しそして現役のスーパーFJの選手の方と合同で練習し現役の選手のレベルに合わせたトレーニングをしようと考えていました。

しかし今年の二月に僕の不注意で左膝を陥没骨折、半月板の損傷と大きな怪我をしてしまい手術をする事になってしまいました。
なので当分の間実車でのトレーニングが出来なくなってしまいました。

レーシングドライバーになる為にトレーニングはとても重要ですが、その前に怪我や病気などしない健康でいる事の重要性を凄く感じました。

一日でも早く怪我が完治する様にリハビリに励み左足が使えない状態でも今出来る事を自分なりに考えました。

そして自宅にあるレーシングシュミレーターで右足だけでのアクセル、ブレーキ操作になりますが走行の感覚を鈍らせない為にシミュレーターによる走行練習を行い、バーチャルになりますがオンラインレースに積極的に参加してレースを通して学べる事を沢山吸収しようと考えました。

またレーシングに関する本を読んだり、いつも実車のトレーニングでお世話になっているエリーヴレーシングドリーム代表の前田さんにお願いしてオンラインで座学の講習を行ってもらいレーシングに関する知識を増やす事にしました。

実車でのトレーニングが出来ない期間も無駄にせず今出来る事を精一杯頑張りたいと思います。

2. 2024年の目標を

今年は実車走行がしばらくできないのでシミュレーターをメインにレース経験を積むことや、論理的にドライビングについて学んだり、実際のリアルドライバーの話を聞いたり、走りを見ることで単純にスーパーFJを速く走らせることではなくレースについてをたくさん学び来年のレースデビュー時に他を寄せ付けない実力をつけていきたいです。

3. 目標を達成するために何をしていくのか、具体的な活動方針について

まずメインにシミュレーターを用いてバーチャルのレースに積極的に参加し、実際にやってみないとわからないことや多種多様な車、サーキットに積極的に挑戦しドライビングの引き出しを増やしていくこと。

本や動画を見て車のメカニズムや仕組みをはじめとし、自分のこれまで知らなかった知識などを増やしていき走行時やセッティングを作っていくときの思考力にしていくこと。

骨折により落としてしまった体力を日ごろの運動から戻し、レースに必要な筋力、持久力、心肺能力を効率的に鍛え上げること。

実車走行を再開できたときに積み上げた知識、思考を最大限に活かし、表現し一回一回の練習を大切に多くの情報を収集し成長につなげること。

4. 主な活動内容について

<活動内容①>

全日本e-F4選手権 Rd.2 富士大会

■場 所
自宅のシミュレーター

■日 程
2024年5月3日(金曜日)

■内 容 
Robocop様主催のオンラインレースイベント(iRacing)

■座学や練習走行やシミュレーターなどを振り返って
・良かった点(できた点)
予選 4位 ヒート1 8位 決勝 2位 (全46台)

この大会は昨年から開催されているイベントでリアルF4ドライバーも参加するレースでした。

このシリーズの開幕戦は骨折のタイミングにより出場できず今回こそはという思いを持ち本番よりかなり前から練習に励んできました。
前日の練習まで左足が使えなかったので右足でアクセルブレーキで行い、最初はただの減速ですら詰めていくことが困難なところからスタートでした。その中で毎日空いている時間積極的に練習していくことで単独走行のペースも安定感も上がっていきました。

そして本番一週間前から始まった練習サーバーでは一度もトップタイム、トップチェッカーで終わることができませんでしたが、自分より経験も速さも自分より少しレベルの高いドライバーについていき、どんどんバトルを仕掛け、時に接触もありましたが得れる情報を可能な限りすべて取り込み本番へ万全な準備ができました。

本番当日、左足の状態も良くなり、リハビリも兼ねてペダルを一番軽く調整し3か月ぶりに左足ブレーキで走行しました。するとものの数分で右足ブレーキ時のタイムを超え、非常にコントロールしやすくもなり、本番を迎えました。
その練習の成果を出し切り予選でも完ぺきとはいえずとも納得のいくアタックができ、4位、ヒート1ではバーチャルならではの不本意のラグヒットによりヒット、それにより8位まで後退しました。
その結果から8位からスタートした決勝はレース中一回の給油もある長いレースでした。その中で自分のペースもキープし着実にオーバーテイクもし、最後にはファステストラップもマークし2位でチェッカーをくぐることができました。

僕はこの大会を通してレースに向けてのアプローチ、流れなど経験しないとわからない事をたくさん学ぶことができました。

練習走行で積極的に仕掛けていったのも僕の中では戦略で、本番でも戦うであろう相手のバトルパターンを出させ情報として集めたり本番まで一番得意のオーバーテイクを本番まで隠し戦うなど僕としては1日のレースではなく1週間、1か月のレースとして速さではないところのレースが非常に上達したイベントになりました。

・改善すべき反省点(なぜできなかったのか?どのように対策をしていくか)

レースを通して見つけた課題としては予選タイムアタックが2lapだったので問題にはなりませんでしたが一発の速さはロングランに比べペースがなかったのでそこのスピード、引き出しを一度見つめなおし追及していきたいです。

そしてヒート1で過失こそなかったですが展開として痛い接触があり後退してしまったので無駄な事故も減らすために予選から上に行けるようにしたいです。

<活動内容②>

■練習名
オンライン座学講習会

■場 所
自宅でオンラインにて

■日 程
2024年5月20日(月曜日)

■内 容 
僕がお世話になっているELEVRacingDream代表の前田さんによる、実際のチームの方のレースオンボードを見て、レースをしたことのある人にしかわからない知識やレースの場面ごとの考え方などをオンラインで教わりました。

■座学や練習走行やシミュレーターなどを振り返って
・良かった点(できた点)
すでに自分が持っている知識からたくさんの疑問を考え前田さんに質問をし、正しい知識を身に着けることができました。

そしてオンボード映像を見ながら実際にハンドルやペダルを合わせて動かしイメージトレーニングも行えました。

・改善すべき反省点(なぜできなかったのか?どのように対策をしていくか)

どのカテゴリーももうカートとは違うので常にフルプッシュするとなんらかの問題が生まれてくるのでそこを理解しカート時代のままで四輪の実車走行をしないように気を付けたいです。

オンライン座学講習会を受ける濵邉誠己さん

オンライン座学講習会