井口 雄翔さんの2024年度第1回レポート

カートに乗る井口 雄翔さん

Glicoは、プロのレーシングドライバーを目指してTAKUMA KIDS KART CHALLENGE(タクマ キッズカートチャレンジ)に参加する子どもたちのために、もっと支援できることがないかと考えました。プロのレーシングドライバーになるには、相当な厳しい道のりと狭き門をくぐり抜けなければなりません。Glicoは、佐藤 琢磨選手と検討を重ね、子どもたちの夢への第一歩をサポートするプログラムを2020年より始動しました。
2024年度は小野原 悠さん、濱邉 誠己さん、黄 海仁(ファン ヘイン)さんに加え、2023年TAKUMA KIDS KART CHALLENGE アカデミーで優勝した井口 雄翔さんの活動をサポートしています。
4選手それぞれが将来の夢に向かって挑戦する様子を、各選手からレポートをいただきましたのでご紹介いたします。

【井口 雄翔さんの2024年度第1回レポート】
・・・・・以下、レポート内容・・・・・

1. 現在の夢や、はじめてスカラシップ生になった感想などについて

スカラシップ生になれたことは、とても嬉しいですし、やりがいを感じ感謝しています。スカラシップ生になれた事で、今までより練習やレースで走っている時に、1周でも無駄に出来ないし、経験が少ない分教えて頂いた事、自分で気が付いた事を集中して実践しようと思う様になりました。少しでも早く先輩方や他のレーサー達に追いつきたいです。
僕は、4歳の時からピアノをやっています。将来の夢は、ピアノが弾ける世界で戦えるレーサーになりたいです。音楽を通じてレースで訪れた、色んな国の人と仲良くなれるし、自分がいるチームの人や周りにいる人を楽しませることが出来ます。そして、自分の世界がもっと広がると思うからです。

2. 2024年の目標について

2024年の目標は、本格的に始めたレーシングカートの操作技術向上と、カートの組立からエンジンの載せ替え、チェーン・ギア交換等の整備を覚えて構造を理解した上で、チームの監督(先生)とセッティングを変えたりした時に走りの状態をちゃんと伝えて会話出来るようにしたいです。それが出来るようになれば、きっとレースでもいい結果につながると思います。今年は、APGのSL APG YAMAHA SSクラスのレースに参戦しています。そこで少しでも前に上がり、出来れば表彰台に乗れる位置を目指せるようにしたいです。

3. 目標を達成するために何をしていくのか、具体的な活動方針について

1.僕を指導して頂いている先生に技術的な事を教えて頂き実践して練習するだけではなく、走っている状況・感想を自分から伝えるようにする。
2.間違いを恐れずに自分の意見・思った事はちゃんと先生に伝えて自分の考え・走りに生かせるようにしたい。
3.カートの組立・エンジン載せ替えや部品の交換・走り終わった後の清掃整理までなるべく自分でやるようにする。
4.カートを準備している時、走る時は常に集中するようにする。
5.レースでは自分が一番経験浅いと思うので、他のドライバーの走りやラインを良く観察するようにする。
6.セッティングを変えた時の違いを、間違いを恐れず具体的に感じた事を先生に伝えセッティングに生かすようにする。

4. 主な活動内容について

<活動内容①> 
2024 SL APGシリーズ第2戦 ・ YAMAHA SS-class公式練習

■場 所
オートパラダイス御殿場

■日 程
2024年4月6日(土曜日)天候 曇りのち晴れ

■内 容
・1セッション目
雨上がりでハーフウエット。ドライタイヤで走りライン取りよりも各コーナー乾いている所(グリップする所)を探して走る。
・2、3セッション目
幾つかのコーナーで、ドリフトして滑っているからタイムが伸びない事を先生から指摘され、その改善方法としてアクセルワーク・ブレーキングのタイミングとステアリングの舵角を合わせてグリップさせて車体の向きを変える事を意識するようにする。
・4セッション目 
今までのセッションや、練習の結果を踏まえてレース用エンジンとキャブレター決定。ベストタイムが43秒41となった。まだ、5・8・最終の各コーナーで侵入の仕方やブレーキングの仕方やステアリングの操作が大きくタイムロスに繋がっている。
・最終セッション 
今までのセッションで、置いていかれていた車両について行ける様になってきたが、自分がちょっとしたミスをしただけでアッという間に置いて行かれてしまう。

■練習走行を振り返って
・良かった点(できた点)
1.今までの練習の中では、感じられなかった緊張感を感じることが出来た。
2.自分より、速いし、またレースになれている選手が多いのでラインや、走り    
  方を見て参考にすることが出来た。
3.僕は焦るとステアリングに頼り過ぎるので、そこが少しだけ足の操作を意識
  出来るようになった。

・改善すべき反省点(なぜできなかったのか?どのように対策をしていくか)
1. 車体の向きを変えるのをどうしてもステアリングに頼り過ぎて、オーバースピードでコーナーに侵入し十分な減速が出来なくて横滑りしてしまい車体が前に進み始めるのが遅い。もっとアクセレーションやブレーキのかけ方を意識して、ステアリング操作は最小限に抑えグリップさせながら車両の向きを変えられるようにしたい。
 そのためには、車両に掛かるGや、車両から伝わる色々な情報を感じるように走っている時は常に集中する。
 まず、この基本を出来るようにならなければ、次のステップには行けないと思う。
2.エンジンを載せ替えた時に、もっと早くアクセルワイヤー取り付けられるようにする。そうじゃないと、練習時間が減ってしまう。ひたすら練習して慣れないといけない。

走行する井口 雄翔さん

苦手な8コーナーに全開で向かう

<活動内容②>
2024 SL APGシリーズ第2戦 ・ YAMAHA SS-class

■場 所
オートパラダイス御殿場

■日 程
2024年4月7日(日曜日)天候 晴れ

■結 果 
所属チーム:スーパーチップス/予選結果12位(14台中)・決勝結果10位
    ベストタイム 42秒97

■レースを振り返って
・良かった点(できた点)
1. タイムトライアルから予選・プレファイナル・決勝と完走できた事。
2. 様々な駆け引きがあるローリングスタートを経験できた事。
3. 予選ヒート・プレファイナル・決勝と全てスタートで失敗して最下位まで下がったがレース中に何台か抜くことが出来た事。
4. 全国大会等の大きい大会でも上位を走る選手とも一緒にレースが出来て、自分の今の位置が分かった事。
5. 先生はじめチームの人が、少しでも速く僕が走れるように、車両のセッティングを真剣に考えていてくれて有難みが良く分かった事。

・改善すべき反省点(なぜできなかったのか?どのように対策をしていくか)
1. 予選ヒート・プレファイナル・決勝ヒート全てのローリングスタートで失敗してスタートした瞬間に常に最下位に下がった事。こうならないように、隊列組んで減速した時にバルブを閉めて、スタートした瞬間に開けるなどの操作をして行くようにレース後から練習開始。
2. レース中、前の車に追いつきスリップを使える状態なのに、ラインが徐々にずれて、僕のちょっとしたミスで、前の車を抜くどころか離されてしまった事。スリップを使って、タイム上げ、チャンスを見て抜くことは基本であり、そこはしっかりと集中力を持続して気を抜くことなく走り続けることが出来るようにしたい。
3. ローリングスタートの隊列の中で前の車が急にブレーキを踏みプッシングして、+5秒のペナルティーを貰ってしまった事。それを避ける為には、隊列の中で前の車だけではなく先頭車両の動き等にも注意して自分の位置取りを決めて行かなければならいと言う事を意識するようにする。

カートと井口 雄翔さんの父親、井口 雄翔さん、監督兼先生の宇田川さんが映る画像

予選ヒート開始前 向かって左側が父親・本人・監督兼先生の宇田川さん