【これかラボDAYS】意外と知らない!?赤ちゃんの健やかな成長のための睡眠教室を開講!<前編>

2021年2月7日(日)、オレンジページ主催のオンラインイベント「これかラボDAYS」にて、赤ちゃんの睡眠について、「オレンジページ」とパパ応援Webメディア「家men」の皆様と一緒に、「子どものココロとカラダの健やかな成長」を考える教室を開催しました。

<前編>では赤ちゃんの睡眠に関する基礎知識について、<後編>では“赤ちゃんの健やかな成長のための睡眠”に向けて今日からできる実践方法をご紹介します。

どうしてグリコが赤ちゃんの睡眠教室を?

江崎グリコの企業理念は「おいしさと健康」。今からおよそ100年前の1919年。創業者の江崎利一は、牡蠣の煮汁に含まれるグリコーゲンが、栄養機能として優れていることに着目しました。「病気になった人を治すより、病気にかからない身体をつくることが大切である」との考えから、当時子どもに人気のあったキャラメルに、グリコーゲンを入れて商品化したのが、栄養菓子の「グリコ」です。

「子どものココロとカラダの健やかな成長」への想いが、創業の原点となっています。現在、子どもたちを取り巻く社会環境は変化し続け、多様な課題が発生しています。そんな課題に対応するため、江崎グリコでは乳幼児に向けた様々な商品や、無料アプリなどのサービスを提供してきました。

そして今、「子どものココロとカラダの健やかな成長」への想いから、新たに「赤ちゃんの睡眠」について向き合っていきます。

渡部基信先生セミナー開始
「意外と知らない!?赤ちゃんの健やかな成長のための睡眠教室」

今回、無料子育てサポートアプリ「こぺ」の監修にも携わられた渡部基信先生(医療法人社団 医聖会 学研都市病院 小児科医師/同志社大学 赤ちゃん学研究センター 副センター長)を講師にお迎えして、「赤ちゃんの睡眠の重要性」をご紹介いただきました。

大人より睡眠時間が長い子どもにとって、眠りは大人以上に大切なもの。
実は、子どもの睡眠の質や量が、運動、言葉、認知力、意欲、コミュニケーション能力など、脳の発達と深く関係しています。その一方で、日本では、乳幼児期の睡眠に関する情報発信量が十分ではありません。

最初にお話しいただいたのは、眠りの3つの働きについてです。

<1>赤ちゃんの眠りは身体を休ませるだけではない

赤ちゃんの眠りは、身体を休ませるだけではなく、ほかにも色々な働きがあります。
脳を創り、育て、そして守る。それぞれについて、詳しくお話しいただきました。

① 脳を創る - 眠りの間に情報網が作られる –

脳のイラスト、水色の部分は海馬(かいば)と呼ばれ、記憶を関する器官です。この海馬の大きさと睡眠時間には関係があるようで、「5~6時間しか寝ない子どもの海馬はやや小ぶりである」という研究データがあります。

② 脳の働きを育てる – 睡眠は記憶を固定する重要な要素

眠りが深くなったり、浅くなったりする間に、いろいろな記憶がされます。知識だけではなく、出来事のようなエピソード記憶、そして体で覚える手続き記憶。これらから言えることは、勉強もスポーツも睡眠が大切だということです。

睡眠が浅くなったり、深くなったりするということをより詳しくお話いただきました。上図の赤い部分はレム睡眠といい、眠りの浅い状態です。青い部分はノンレム睡眠。ぐっすり眠っている状態を指します。
グラフの横軸が人間の一生を、縦軸が24時間を表しています。出生時に注目すると、レム睡眠とノンレム睡眠が半分ずつになっていますね。生まれる前はレム睡眠から始まり、その後ノンレム睡眠が確認できます。

③ 脳の働きを守る – 睡眠による脳の老廃物の処理 -

3つ目の大きな働きは、老廃物を処理することです。
上図左側を見ると、老廃物を示す細かい粒が点々と見られます。睡眠中、トイレの水のように老廃物を処理し、図右側のように洗い流しています。眠っている間に、次の日の活動のための準備を整えているんですね。

<2>睡眠は発達する

赤ちゃんは生まれる前はおなかの中にいるんですけれども、地球上に出るということは、人間が地球から宇宙に飛び出すくらいの環境の変化があるということ。地球社会に適応していくためには、睡眠も適応していかなければいけません。

「超日リズム」から「概日リズム」に

生まれたとき、赤ちゃんは2~3時間ごとに目を覚ます超日リズムで生活しています。

やがて、昼間には活動し、夜には寝るという24時間の「概日リズム」へ徐々に移行していきます。この概日リズムは「サーカディアンリズム」ともいい、「眠る」と「起きる」だけではなく、血圧や体温、体調など、あらゆる身体の働きと密接な関係にあります。

睡眠リズムとメラトニン

夜と昼を区別するために大切な「メラトニン」というホルモンがあります。メラトニンは夜の間に分泌され、この働きによって人間は眠たくなってきます。一方で、朝になり光を浴びると、脳によってメラトニンの分泌が抑制されます。実は、スマートフォンによる光の刺激は、メラトニンの分泌を抑えてしまい、体内時計を乱してしまっています。

メラトニンには入眠時間を知らせるだけではなく、上図のような様々な働きがあります。またメラトニンは、生涯のうち幼児期に最も多く分泌されます。上のグラフは、横軸は人間の一生、縦軸はメラトニンの血中濃度を示しています。グラフからも1歳、2歳になると高くなっていることが確認できますね。メラトニンは幼児期に非常に重要な役割があると考えられます。

体内時計の発達は、赤ちゃんが生まれてからではなく、おなかの中にいる頃から発達しています。お母さんの体内時計の乱れていると、子どもにも影響するということがラットの研究でも明らかになっています。妊娠中から規則的な生活リズムを送れるように気を付けたいですね。家族や周りの人々が理解することも大切です。

これは睡眠表というもので、黒い部分が睡眠時間。白い部分が飽きている時間を示しています。1歳頃から、睡眠時間が11~12時間程度になり、ほぼ夜に睡眠していることが確認できますね。

また、上図は生まれてから100日ほどの睡眠表です。縦軸に生まれてからの日数、横軸に24時間を表しています。日を追うごとに、昼に寝て、夜に寝る姿がはっきり見られます。生後3か月くらいで、昼と夜の区別がだんだんと形成されてきます。

赤ちゃんは生まれてから、24時間の生活リズムへと徐々に体が慣れていきます。2歳までにきちんと習慣付けしてあげることが大切です。

<3>子ども達の睡眠の現状は…

この図は、1歳半から5歳までの子どもたちが、何時に寝ているかを示したものです。ここから、約3割の子どもが22時以降に就寝していることが確認できます。

渡部先生のいらっしゃる赤ちゃん学センターでは、センターのある木津川市と共同で、保育園児とその保護者の方を対象に、子どもの睡眠の現状を調査を行いました。その調査結果においても、約30%の子どもたちが22時以降に寝ていることが分かりました。

また、子ども達のお父さんお母さんに、睡眠についてどう思うか質問をしたところ、22時以降に眠っている状況でも「良い」「どちらかといえば良い」という答えが得られました。このことから、保護者との認識に大きなギャップがあるということが分かりました。

ただ一日の睡眠が足りていれば十分というわけではなく、夜間睡眠の時間が大切です。
小学校ではお昼寝の時間はないため、小学校に入る前に夜間の睡眠時間で足りるように調整していかなければなりません。お昼寝時間で補っているケースもありますが、それでは小学生になった際に睡眠が足りなくなってしまいます。

ここまで渡部先生のお話を聞いて「重要性はわかったけど…どうやって睡眠リズムを整えればいいの!?」と思ったパパ・ママも多いのではないかと思います。
「【これかラボDAYS】赤ちゃんの健やかな成長のための睡眠教室を開講!<後編>」では、どうやって改善をしていけばいいか、ポイントを先生から解説していただきます。


睡眠リズムを整えるポイントを知りたい!という方は、ぜひ<後編>をご覧ください。
なお、子育てサポートアプリ「こぺ」の機能内の『お役立ち記事』にも、渡部先生による睡眠記事が掲載されています。こちらもぜひチェックして見てください。

▶利用方法
検索サイトから「グリコ こぺ」と検索し、OS に合わせたページにアクセス、またはスマートフォンなどから下記 URL に直接アクセスしアプリをダウンロードしてください。

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