「ポッキーを前歯でかむと、 脳の血流がアップ」する!?

脳血流 ポッキー

「かむこと」は、食べものをかみ、飲みこみやすくするだけでなく、脳の血流をあげるということが知られています。ただ、これまでの研究では、どの歯でかむことが効果的か、ということについては、わかっていませんでした。
 
歯は、大きく前歯と奥歯に分けられます。前歯と奥歯の役割はそれぞれ異なり、前歯は食べものをかんで切る役割、奥歯は食べものをかんで粉々にするという役割です。このように、前歯と奥歯では役割が異なるため、前歯でかんだ時と奥歯でかんだ時を比べて、脳の血流への影響も異なるのではないかと、考えました。
 
そこで、前歯でかんだときと、奥歯でかんだときの、脳の血流量を比較する実験を、「ポッキーチョコレート」を用いて行いました。脳の血流量を測る機械は、株式会社日立ハイテクノロジーズさんにお借りし、実験にも協力して頂きました。

脳血流 ポッキー

<写真>脳血流を図る機械(左)と測定機を装着した状態(右)

実験に参加していただいたのは、30~40歳代の女性10名。実験で食べるものは、長いスティック菓子と短いスティック菓子です。今回は、「ポッキーチョコレート」を用いて実験しました。
 
長いスティック菓子は、ひと口目は前歯でかみ、その後奥歯で噛みます。短いスティック菓子はひと口目から奥歯でかみ、前歯は使いません。つまり、2種類の長さの違う菓子を使うことにより、「前歯で噛むこと」の効果を調べようと考えました。

脳血流 ポッキー スティック菓子

参加者10名の方には、長いスティック菓子と短いスティック菓子の両方を食べてもらい、それぞれの場合について、脳の血流量を測りました。

血流の上昇が見られた!

脳血流 ポッキー

上の図は、参加者10名の、脳における血流量の信号強度の平均値を色で表したものです。
色が赤色に近づくほど脳の血流は上がっており、青色に近づくほど脳の血流は上がっていないことを表します。

この図の色を比較すると、前歯で食べた時のほうが赤色に近い橙色の部分が多くなっています。
そのことから、前歯で食べた時の方が脳の血流は上がっているとわかります。
 
今回の実験から、ひと口目に前歯でスティック菓子(ポッキーチョコレート)を食べた方が、脳の血流は上がるということがわかりました。
 
なお、この内容については、9月11日に「第18回日本感性工学会大会」で発表いたしました。
 
 
江崎グリコは、今後も「おいしさと健康」の体現のために、こうした実験を引き続き実施してまいります。