パピコの工場に潜入!「なめらか食感」の秘密を探る!
二人で食べる定番アイスとしても知られる「パピコ」。ご存じの方も多いと思いますが、1998年頃を境に商品の品質が「なめらか食感」に変わり、売り上げがグンと伸びたそうです。今回はそんな品質を実現させた製造技術の秘密を探るため、パピコの製造工場を取材してきました。
新技術であり国内最大級サイズの冷凍庫「スパイラル急凍」もご紹介します。
圧巻!その大きさに圧倒される「エージングタンク」
まず案内されたのは、10tサイズの巨大な「エージングタンク」。ここではアイスクリームミックスの温度を下げて熟成させるそうです。1台、1日約70,000袋ものパピコができるということで、それがずらりと全32台。
タンク内のアイスクリームミックスは、大きさがバラバラの成分を小さく整える「均質化」の工程を経たうえで、殺菌を行います。おいしさと安全性を両立させる、品質を保つための工程の1つ。
画像:ずらりと並ぶエージングタンク
画像:タンク内に入っているアイスクリームミックスの様子
熟成後は、さらに空気を混ぜ合わせつつゆっくりと温度を下げていくフリージングの作業へ。フリーザー内でかき混ぜることで、あの絶妙な「なめらか食感」を実現できるのだそうです。
繊細な作業とスピードで行う充填
次の工程は充填といって、先ほどのアイスクリームをあの専用容器に流し込む作業です。
きれいに対になって並べられたパピコの容器にリズムよくアイスクリームが流し込まれた後は、リズミカルに上下にトントンと動いてアイスクリーム内の空気を抜いて形を整えます。
「余分な空気を抜いて、なめらか食感をお客様に実感していただく」ために、「容器全体を揺らして空気を抜く」というアイディアが取り入れられており、とても面白いと感じました。以前は手作業でやっていたという容器充填ですが、試行錯誤の末に自動化に成功し、今は1分間で約400本の充填が可能となったようです。
★アイスクリームが容器に流し込まれる様子の動画は、記事の最後でご覧いただけます。
新技術「スパイラル急凍」で滑らかな舌触りへ
充填口を密封した後は、国内最大級サイズの冷凍庫へ。ここでは新たに「スパイラル急凍」という技術を導入し、コンベアに乗せたアイスを上部から下部へらせん状にグルグルと移動させながら急速に均一に冷凍させます。
一方向から冷やすと、どうしても「ムラ」が出てしまう。それを防ぐため試行錯誤した結果、このようにらせん状に動かす冷凍方法に辿り着いたそうです。
さらに製造担当者曰く「短時間で冷やせば冷やすほど氷の結晶が小さくなり、舌触りがなめらかになる」とのこと。ここにも、「なめらか食感」につながる秘密が隠されていました。
★こちらの様子も、記事最後の動画で見られますのでぜひご覧ください。
画像:スパイラル急凍
急速冷凍されたパピコを封入用のコンベアに並べていきます。そしてようやく封入と最終検査へ。
寸分の差も見逃さない!X線の最終チェック
あっという間に袋詰めにされた先では、X線でひとつひとつ最終検査を受けます。不純物が混入していないか、均一な重さであるかなどをチェック。わずかな分量の違いでも、不適格としてラインから外されるそうで、徹底した品質管理を瞬時に行っていました。
画像:X線検査の様子
箱詰めされたパピコは、おいしさを保つ最適な温度で保管されます。また、工場内は清掃なども行き届いており、クリーンな空気を管理するシステムなども導入されています。これまでの過程も含め、本当に温度や衛生環境が徹底的に管理されていました。
また工場から出荷する際は、外気に触れる時間を最小限に抑え、トラック内にも異物が混入しないよう、倉庫の枠とトラックの扉のサイズをぴったり合うよう設計。
ここまで高い品質管理を行って私たちのもとへ運ばれてくるとは、さすがに驚きでした。
普段何気なく食べているパピコ。こうやって順に工程を追っていくことで、かなり高度な技術と徹底した品質管理があることを知り、おいしさや安全性が高いクオリティで保たれていることが実感できました。
今回の取材の様子をまとめた動画もぜひご覧ください。
また、今回のようなパピコの製造過程を一部、ガラス越しから見学することも可能です!
興味のある方は、グリコピアCHIBAの案内をご確認ください。
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>>グリコピアCHIBAに関してはこちら!
※「なめらか食感」とは?
パピコならではの口当たりのよいなめらかな食感のこと。電子顕微鏡で拡大してみると、粒状のものは気泡や氷の結晶、その隙間を乳脂などが埋め尽くしているのがよくわかります。このミクロン単位の細かな粒子がパピコの「なめらか食感」をつくり出しています。