「チョコ男」に「シェアチョコ」、バレンタインの新常識
西日がまぶしい渡り廊下で、憧れの彼に差し出すチョコレート…。
バレンタインデーは、女子が好きな人に告白する神聖な日。この日の男子は、女子の視線を妙に意識して、そわそわ。教室はいつもと違う緊張感に包まれる…。
なんて話も今は昔。バレンタインは、様変わりしています。
バレンタインの定番は、“友チョコ”
去年のバレンタインデーに、男性の4人に1人(26%)が、チョコをもらえないなか、女子中高生は、ほぼ全員(中学生94.2%、高校生88.5%)がチョコをもらっています。
女子同士が贈り合う“友チョコ”が定着して、女子がチョコレートをもらうのは、もはや、バレンタインの常識。
小学校でさえ、チョコレートを持ってきてはいけません!というお手紙が配られるほど、贈り贈られ、学校中が、わやくちゃになる、壮絶な女子イベントになっています。
バレンタイン前夜、20コ、30コと、悲壮感漂わせて友チョコづくりに勤しむ娘と妻を横目に、出来合い惣菜で晩御飯を静かにすませるお父さんも多いのではないでしょうか。
でも、すねたりしません。なにせ、去年、チョコを贈った相手の第2位は、パパ!
今年もパパチョコを贈る予定の女子中高生は50%超、半数以上のパパがチョコレートをもらえるんですから、一日くらいリビングの片隅の晩酌に甘んじましょう。
“パパチョコ”だけでなく、ママや兄弟、姉妹に贈る“ファミリーチョコ”も上位にランキングされています。
大学生や社会人になると、“友チョコ”も落ち着いて、彼氏比率がアップ。男性の上司などに贈る“ビジネスチョコ”もトレンドとなりつつあります。
男性の4人に1人が“チョコ男”?!
バレンタインに盛りあがる女性陣に対して、影が薄くなっている男性…
と、思いきや、新しい流れがきています。
昨年、男性の約4人に1人がチョコを贈っていて、高校生では、3人に1人が“チョコ男”というデータが!
贈る相手は、母親や妻など家族、彼女はもちろん女性の友達、そして「告白したい人」。社会人になると、女性の同僚や、女性の上司、部下にも贈っています。
贈るチョコは、中~大学生では、「スーパーやコンビニで販売しているものをそのまま」が大半ですが、中には手作りするスイーツ男子も。20・30代社会人では、チョコレート専門店が主流になっています。
男性がチョコをもらう日から、あげる日へ。そして男女を問わず、チョコを贈ったりもらったりするのが今どきのバレンタインデー。もらった人が、チョコをお返しする贈り合いも増えていています。
“友チョコ”の隆盛と反比例するように、義理チョコの存在感が薄れてきました。
実際、40代男性の63.5%が、義理チョコの数が減ったと感じていて、あげる立場の女性の53.5%も同じように感じています。義理でチョコなんかいらんわい!と、わたしなどは思いますが義理チョコでも、もらえればうれしいと感じる人が男女とも半数以上とか。一方、同じアンケートで、一番ほしいのは、男女とも「いつもありがとう」の気持ちがこもったチョコ、贈る方も「感謝の気持ちなど、ふだん言えない気持ちが伝えられる」などを、贈る理由にあげています。
バレンタインは、家族や友人、知人に日ごろの感謝の気持ちを伝える日としての意味合いが大きくなっているようです。
そして、一方通行に贈ったり贈られるチョコより、もらったら、お返しをして感謝の気持ちをシェアする傾向になっています。
バレンタインデーは、告白する日から「いつもありがとう」の気持ちを伝え、伝えられる日、コミュニケーションを深める日に。大義名分ができたわけで、シャイな日本男子も、強面親父も、普段、絶対に口にできない感謝の思いを込めてチョコが贈れますよね。
さぁ、バレンタインデーはもうすぐ!彼女や奥さんはもちろん、同僚や部下にチョコを贈ってみませんか。
びっくり、のちビッグスマイル。あなた自身も心がじんわり温かくなりますよ。
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ヘルシーはおいしい!をテーマに必要以上にアテを作ってしまう月イチ食堂オーナー&ライター
山本佳子