ここでは、食品に含まれる栄養素のはたらきやどのような食品に多く含まれているのかなど、各栄養素についてくわしくご紹介します。

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エネルギーとは

暴食する人 エネルギーは、生きて体を動かす大切な活動の源であり、キロカロリー(kcal)の単位で表されます。このため、よく「カロリー」と呼ばれます。成人女性の多くは1日に約2,000kcalに相当する食べ物を食べ、約2,000kcalのエネルギーを使っていると考えられます。

食べるエネルギーのお話

栄養のピラミッド 食べ物にはエネルギーのもととなる、たんぱく質(Protein)・脂質(Fat)・炭水化物(Carbohydrate)が含まれています。これらは三大栄養素と呼ばれ、体の中で、エネルギーに変わります。日本食品標準成分表2020年版(八訂)から、エネルギー計算には、「アミノ酸組成によるたんぱく質(たんぱく質)」、「脂肪酸のトリアシルグリセロール当量(脂質)」、「利用可能炭水化物(炭水化物)・食物繊維総量・糖アルコール」のそれぞれの換算係数を用いるようになりました。

各換算係数は下の表をご参照ください。(換算係数=1gあたりのエネルギー量)(ただし、食品によって、これらの数値は若干変わります)。食べ物のエネルギーは、主として各三大栄養素の重量(g)に1gあたりのエネルギーを掛けて合計したものです。

エネルギー換算係数

成分名換算係数(kcal/g)
アミノ酸組成によるたんぱく質/たんぱく質4
脂肪酸のトリアシルグリセロール当量/脂質9
利用可能炭水化物(単糖当量)3.75
差引き法による利用可能炭水化物4
食物繊維総量2
アルコール7
糖アルコール
 ソルビトール2.6
 マンニトール1.6
 マルチトール2.1
 還元水あめ3.0
 その他の糖アルコール2.4
有機酸
 酢酸3.5
 乳酸3.6
 クエン酸2.5
 リンゴ酸2.4
 その他の有機酸 3.0

<例>

たんぱく質(肉・魚・卵・大豆製品などに含まれる)75g×4=300kcal
脂質(植物油、バターなどに含まれる)55g×9=495kcal
炭水化物(ごはん、パン、めんなどに含まれる)300g×4=1,200kcal
合計(総エネルギー)1,995kcal

 “食べるエネルギー”は量だけでなく、質からみることも大切です。「栄養成分ナビ」では、主に三大栄養素のエネルギー比率を「エネルギー産生栄養素バランス診断」でチェックできます。


一般に理想的なエネルギー産生栄養素バランスの代表値はたんぱく質:15%、脂質:25%、炭水化物:60%ほどとされてきましたが、このほど「日本人の食事摂取基準」を参考にして範囲を見直し、たんぱく質:13~20%、脂質:20~30%、炭水化物:50~65%の各中央値を四捨五入し、17%、25%、58%と大まかな目安として示しました。健康的な食事になっているか、1日の食事チェックにお役立てください。


(「エネルギー産生栄養素バランスとは」をみる)arrow_forward

使うエネルギーのお話

走る人 “使うエネルギー”の内訳は、生きていくうえで最低限必要なエネルギーと、活動するためのエネルギーです。息をしたり心臓が動いたりといった、生きていくうえで最低限必要なエネルギー量を基礎代謝量といいます。
1日に成人男性でおよそ1,400~1,500kcal、成人女性でおよそ1,100~1,150kcalほどです。減量する場合でも、基礎代謝量より“食べるエネルギー”を減らすのは体への負担が大きいため注意が必要です。

一方、活動するためのエネルギーは、仕事をしたり、スポーツを楽しんだりといった活動に使われます。1日に約2,000kcalを使う成人女性なら、850~900kcalにあたります。


よく体を動かすと、活動するためのエネルギーを増やすだけでなく、筋肉を大きくして基礎代謝量を増やし、“使うエネルギー”の全体量を増やすことができます。(数値は目安です。身長、体重、年齢、性別、身体活動レベルによって異なります。)

エネルギーと体重

エネルギーの過不足の状態を最もよく表すのは体重です。“食べるエネルギー”と“使うエネルギー”がつりあっている時、体重は安定します。一方、アンバランスの時は、ふとったりやせたりといった体重の変化となって表れます。まずは体重を目安にして、“食べるエネルギー”と“使うエネルギー”が適切かチェックすることが健康管理の基本です。


成人期以降には大きな身長の変化がないことから、身長の違いを考慮して体重管理が出来るように、体格指数、主にBody Mass Index(BMI)を用います。身長と体重を入力するだけで簡単にBMIが計算できる「BMI計算機」がありますので、ご活用ください。