カリウムは、私たちの体内ではほとんどが細胞内液に存在しています。近年、カリウムの摂取量を増やすことによって、血圧の低下、脳卒中の予防、骨密度の増加につながることがわかってきました。
カリウムは、細胞の外液に存在するナトリウムとバランスをとりながら、細胞を正常に保ったり、血圧を調整したりして、常に一定したよい体内の状態(恒常性)を維持するのに役立っています。ナトリウムはとり過ぎると高血圧の一因になりますが、その一方でカリウムは血圧を下げる働きがあります。
カリウムは、ほとんどの細胞の中に存在することから広く食品に含まれますが、特にバナナ、メロン、アボカドなどの果実類、ほうれん草などの野菜類、さつまいもなどのいも類、大豆や小豆などの豆類、魚類、肉類に多く含まれています。
まずは体に必要な量として、食事摂取基準の「目安量」をめざしましょう。国民健康・栄養調査結果では、平均でほぼ「目安量」ほどとれていますから、偏食しないで1日3回の食事をきちんととればほぼ大丈夫です。ただし、欠食をする人、野菜や果物をあまり食べない人では摂取量が少ない可能性がありますから気をつけましょう。
さらに、高血圧を中心とした生活習慣病の一次予防のためには「目標量」として、もっと多くのカリウムの摂取が望まれます。この場合は、野菜、果物、いも類などカリウムを豊富に含む食品を積極的に摂取する必要があります。
一方、カリウムのとり過ぎによる過剰の害は、普通の食生活ではほとんどありません。ただし、腎機能が低下している人などはカリウムの摂取に制限のある場合がありますので、専門家にご相談ください。