銅は、鉄から血液中の赤血球がつくられるのを助ける栄養素です。体の中には骨、骨格筋、血液を中心として成人で約80mg存在しています。
赤血球中のヘモグロビンという赤い色素は鉄を成分としていますが、銅はこのヘモグロビンをつくるため鉄を必要な場所に運ぶ役割をしています。このため鉄が十分にあっても銅がなければ、赤血球はうまくつくれないため貧血になってしまいます。
また、銅は体の中の数多くの酵素となって、活性酸素を除去するなどの働きをしたり、骨の形成を助けたりする役割もしています。
広く食品に含まれますが、とくにかき、するめなどの魚介類、レバー、ナッツ、大豆、ココアなどに多く含まれています。
銅は極端に摂取不足して欠乏した場合、銅欠乏性の貧血などになります。しかし、これは遺伝性の吸収不全や難治性の下痢症など特別の場合であって、日常の食生活において欠乏症はほとんどみられません。
一方、とり過ぎによる過剰症は、先天性の代謝障害以外に海外では銅製の食器や調理器具で酸性の食品を扱ったことによる中毒の報告がありますが、通常の食生活では心配はありません。ただし、サプリメントなどで誤って大量摂取した場合には、肝障害など健康を害するおそれがありますので注意が必要です。