本気のあなたへ プロテインダイエット必勝法
減量中のアスリートへ、食事の選び方と摂り方
食事は控えめにして、トレーニングを頑張り、減量を成功させたい。それでもなかなかウエイトコントロールがうまくいかないとき、トレーニング内容に合わせて食事メニューを組んでいますか?
トレーニングした日と休養日で消費エネルギー量に差があるように、食事の摂取エネルギー量もコントロールするのがアスリート的減量の成功のカギです。トレーニングと減量中の食事メニューの組み方を紹介します。
筋肉量をキープしながら減量する食事メニューの考え方
アスリートの減量はダイエットと異なり、除脂肪体重(※1)を減らさず、体脂肪だけを落とします。
体脂肪の元となるのは体内で燃やし切れなかった余剰なエネルギーです。過度な食事制限や偏った食事は体内の代謝を下げるため、脂肪が燃えにくく、リバウンドを招きやすくなります。食事内容とトレーニングをうまく組み合わせて、代謝を上げ減量しやすい体をつくることが大切です。
※1:除脂肪体重…全体重のうち、体脂肪を除いた筋肉・骨・内臓などの総量。LBM(Lean body mass)と略される。
基本は1日3食、欠食をしない
体調を整えるためには規則的な栄養補給をすることが必要です。
一定以上の空腹状態が続くと、体は筋肉を分解しエネルギーとして使い始めてしまいます。また脳が飢餓状態と認識してしまうため、脂肪を貯めこみやすい体質に変化します。
1日のなかで食事量のバランスを考える
朝食・昼食は食事後の活動で消費されるためさほど心配はいりませんが、夕食を食べすぎてしまうと就寝までの間に消費しきれず、減量の妨げとなってしまいます。
1日のエネルギー摂取量がそれほど多くないのに太りやすい、痩せにくいと感じる場合は 夜ご飯をたくさん食べていないか確認してみてください。また、夜ご飯は就寝3時間前を目安に食べ終えられるようにしましょう。就寝までに時間がないときは、お茶漬けやうどんなど消化しやすいものに変えるか、量を減らすとスムーズに消化されます。
また、主食は選び方でさらに効果を上げることができます。
活動に必要な炭水化物はしっかり摂り、余分なエネルギーを体内に残さないように代謝に必要な栄養素を合わせて摂取しましょう。白米は玄米に、食パンはブランブレッド(胚芽パン)に、パスタの麺を小麦から全粒粉にするといった工夫がおすすめです。炭水化物の代謝に必要なビタミンB1や食物繊維を含み、体内への吸収が緩やかに行われるので、血糖値が上がりにくく、腹持ちも良くなります。
必要な栄養素を不足しないように摂取する
脂肪燃焼やカラダ作りに必要な栄養素は十分に摂取しましょう。減量中は摂取できるエネルギー量が限られるため、必要な栄養素を多く含む(栄養価の高い)食物を選ぶようにしましょう。
タンパク質 | 筋肉・骨・血液などを作る材料 |
ビタミン・ミネラル | 体調を整える・コンディショニング |
エネルギー代謝アップ ※特にビタミンB2は脂質代謝に重要 | |
食物繊維 | 体内の老廃物を排出する |
炭水化物は摂り方・量・種類に注意
炭水化物(糖質)はタンパク質を体に吸収するときや脂肪を代謝させるときに不可欠な栄養素です。炭水化物を必要以上に抜くと体内のエネルギー源が減少するため、代謝が落ちて減量しにくくなったり、リバウンドを起こしやすくなったりする原因となります。
低脂肪の食材を意識して選ぶ
乳製品や調味料などには油が含まれています。原材料表示、栄養成分表示を確認する習慣をつけるとより効果的に減量を進めることができます。肉類の脂肪分は見える部分をできるだけ取り除くように心がけてみましょう。
肉類 | バラ、ロースなど脂肪が多いものを避ける ヒレやももなど赤身が多い部位を選ぶ 鶏モモ肉など皮が付いているものは外す |
魚類 | 白身魚やマグロ・カツオなどの赤身を選ぶ |
乳製品 | 低脂肪・無脂肪の商品を選ぶ 豆乳は無調整を選ぶ |
調味料 | ドレッシングやマヨネーズなど必要以上の量を使わない クリームタイプのものは避け、できるだけノンオイルのものを選ぶ |
アルコールは「エネルギーにならないカロリー」
アルコールのエネルギー量は1gあたりおよそ7kcal。ビール350mlではおよそ140~180kcalになります(商品によって差があります)。アルコールに含まれるエネルギーは「エンプティカロリー」と呼ばれ、3大栄養素で摂取する体に蓄えられるエネルギーとは種類が異なります。
アルコールは体にとって異物です。排出するとき、優先的に体内のビタミンを利用し代謝されるため、減量に必要な微量栄養素(ビタミン・ミネラル)が不足する可能性があります。
出典:厚生労働省、e-ヘルスネット、アルコールのカロリー
調理法の工夫
茹でる・蒸すなど油を使わない調理法を多用する、炒め油は必ず計量し、必要以上の油を使わない、揚げ物は避けるなど、余分な油を使用せず、できる限りノンオイル、または少量の油の利用にとどめましょう。
減量時のトレーニングと食事メニュー
トレーニング(特に筋トレ)の場合は休養日を設定することで、より運動の効果が引き出されます。しかし、トレーニング日と休養日では消費カロリーに差が出るため、毎日同じ食事をしていると休養日の摂取エネルギーが多くなってしまいがちです。
食事内容にも変化を持たせ、摂取カロリーが消費カロリーを上回らないように配慮しましょう。
基礎代謝分のエネルギーは必ず確保する
トレーニングの有無にかかわらず、1日に必要なエネルギー量(基礎代謝)は必ず摂取します。摂取量が基礎代謝量を下回ると、減量しにくい体になります。
基礎代謝は体重よりも除脂肪量との関係が強く、同じ体重でも除脂肪体重の多い人のほうが痩せやすいとされています。
以下の表から自分に当てはまる部分を選び、計算してみましょう。
年齢別の基礎代謝基準値
年齢(歳) | 男性(kcal/kg 体重/日) | 女性(kcal/kg 体重/日) |
---|---|---|
12~14 | 31.0 | 29.6 |
15~17 | 27.0 | 25.3 |
18~29 | 24.0 | 22.1 |
30~49 | 22.3 | 21.7 |
50~69 | 21.5 | 20.7 |
70以上 | 21.5 | 20.7 |
出典:厚生労働省、e-ヘルスネット、アルコールのカロリー
基礎代謝量(1日に必要なエネルギー量)の目安=基礎代謝基準値(kcal/kg 体重/日)×体重(kg
35歳・男性・70kgの場合…22.3×70=約1,560kcal
25歳・女性・50kgの場合…22.1×50=約1,100kcal
この計算式で出した値をもとに、トレーニングの有無に合わせて、食事量を調節していきます。
トレーニング実施日
減量時は運動するためのエネルギーを確保すると同時に、運動した以上のエネルギーを摂りすぎないように気をつけます。(種目・運動強度により必要エネルギー量数値に差が生じます)
自分の減量の目安となるエネルギー量から主食と主菜の量を調整し、バランスよく食べることを心がけたうえで体重の増減・体組成の推移をチェックしましょう。トレーニング後は筋肉の速やかな修復のためにプロテインを摂りましょう。
必要エネルギー量の目安=基礎代謝量(kcal)×2
35歳・男性・70kgの場合…22.3×70=1560×2=3,120kcal
25歳・女性・50kgの場合…22.1×50=1100×2=2,200kcal
時間帯 | メニュー例 | ポイント |
---|---|---|
朝 | 白米(もしくは玄米) 焼き魚、野菜サラダ、納豆 味噌汁、果物(バナナなど) |
・炭水化物は必ず摂る ・タンパク質を含む主菜が足りないときはプロテインを足す ・果物はエネルギー源になるものを選ぶとよい |
補食 | ヨーグルト・スムージーなど | ・乳製品は低脂肪・無脂肪を選ぶ |
昼 | 白米(もしくは玄米) 豆腐ハンバーグ、青菜のお浸し キノコの味噌汁、果物 |
・炭水化物はトレーニングのエネルギー源になる |
トレーニング前(~1時間) | 小さめのおにぎり エネルギーゼリー |
・空腹状態のままトレーニングをしない ・固形物は1時間前を目安にする ・トレーニング直前はゼリー・ドリンクで糖質を補給 |
トレーニング後 | プロテイン ※プラスするときは、小さめのおにぎりやいなり寿司など |
・夕食まで間が開くときはここで糖質を先に摂っておくのが望ましい |
夜 | けんちんうどん (うどんの麺は少なめにし、具だくさんにする) とろろ、フルーツヨーグルト |
・炭水化物の摂取は控えめに ・消化の良いものを中心にし、食事は就寝3時間前までに終わらせるよう心掛ける |
休養日
休養日は腹持ちの良い食材をよく噛んで食べることがポイントです。量は減らしますが、ゆっくり食べることで満足感を得やすくなります。食事間隔が空きすぎると空腹感が強くなるため、3食しっかり食べるようにしましょう。
食事間隔が空くときの補食には低脂肪でタンパク質を摂れるものがおすすめです。低脂肪の乳製品(ヨーグルト・チーズなど)、プロテインを活用しましょう。
必要エネルギー量の目安=基礎代謝量(kcal)×1.5
35歳・男性・70kgの場合…22.3×70=1560×1.5=2,340kcal
25歳・女性・50kgの場合…22.1×50=1100×1.5=1,650kcal
時間帯 | メニュー | ポイント |
---|---|---|
朝 | 白米(もしくは玄米) 鶏肉の梅しそレンジ蒸し トマトサラダ、味噌汁 フルーツヨーグルト |
・腹持ちのよいものを、よく噛んで食べる |
昼 | 和風パスタ(ボンゴレ) コンソメスープ |
・クリーム・オイル系のソースを避け、トマトや和風のさっぱりした味付けにする |
夜 | 豚キムチ鍋 白米(もしくは玄米) |
・体を温め、野菜をたくさん摂れる鍋がおすすめ ・不足しがちな鉄やビタミンを摂取でき、野菜で食事量を増すことで満足感を得やすい |
有酸素運動のみを行う日(コンディショニング)
必要な栄養素と一緒に、脂肪燃焼に必要な水分もしっかり摂り、体の中の老廃物を排出しましょう。体を温める汁物を必ずプラスしておくことがよいでしょう。
時間帯 | メニュー | ポイント |
---|---|---|
朝 | パン、野菜のポトフ ゆで卵、フルーツヨーグルト |
・タンパク質を含む主菜が不足するときはプロテインをプラス |
補食 | フレッシュジュース、 スムージーなど |
・低脂肪、無脂肪のものを選ぶ ・ジュースは加糖ではないものを選ぶ |
昼 | 稲荷寿司・納豆巻 アサリの味噌汁 |
・稲荷寿司の皮はタンパク質の補給になる |
トレーニング前 | エネルギーゼリー スポーツドリンクなど |
・60分以上の有酸素運動時は必ず途中で水分補給をする |
トレーニング後 | プロテイン・アミノ酸 | |
夜 | 白米(もしくは玄米) 温野菜と豚肉の蒸し物 すまし汁、もずくの酢の物 |
・老廃物を排出するために食物繊維が多く含まれる葉物、海藻を積極的に摂取 |
摂取エネルギーをコントロールして減量を成功させよう
体への負担をできるだけ少なくし、減量を成功させるには食事のコントロールがとても大切です。今食べているもので余分なものがないかチェックしていますか?食事の内容をメモや写真で残しておくことで客観的に見直すことができます。
余分なものが少ない体はエネルギーの塊です。さらに強く、パフォーマンスアップできる体を作りましょう!