酸素の力で呼吸持久力を高めよう
スタミナがつく食べ物を食べてバテ知らずのカラダ作り
気温や湿度の変化が大きいとバテ気味になりがちです。そんなときは、スタミナがつく食べ物で元気を取り戻しませんか?ビタミンB1、B2 や鉄分が豊富な食材、それぞれを使ったメニューなどを紹介します。持久力を高め、バテ知らずな体を手に入れましょう。
スタミナがつく食べ物とは?
スタミナとは、長時間疲れず動くことのできる持久力のこと。スタミナをつけるためには、持久力を高める効果が期待できるもの、また不足すると疲労感を感じやすい栄養素などを補うことが重要です。それらをしっかりとり、バテないカラダを目指しましょう。
鉄分
鉄は、酸素を全身に運んでくれる血液中のヘモグロビンを構成している成分です。また筋肉中にあるミオグロビンの構成成分としても存在し、酸素を運び、貯めています。このため鉄が不足してしまうと酸素が行きわたらず、持久力が低下し疲労感につながります。
鉄は体内への吸収率が低いこともあり、日常の食生活では不足しがちです。汗をかくことによっても失われてしまうので、夏には積極的にとりましょう。
特に女性は、毎月の月経で1日当たり約0.5㎎の鉄が失われているので、より意識してとるようにしましょう。*1
*1 出典:厚生労働省、eヘルスネット
詳しくはこちら「運動に鉄分はなぜ必要か。ヘム鉄で効率的に吸収しよう」
鉄を多く含む食品
食品名 | 100gあたりの鉄の量(㎎) |
---|---|
青のり | 77 |
干しひじき(鉄釜) | 58.2 |
干しエビ | 15.1 |
純ココア*¹ | 14.0 |
豚レバー | 13.0 |
しじみ | 8.3 |
凍り豆腐 | 7.5 |
赤貝 | 5.0 |
あさり | 3.8 |
納豆 | 3.3 |
油揚げ | 3.2 |
切干大根 | 3.1 |
大根の葉 | 3.1 |
菜の花 | 2.9 |
小松菜 | 2.8 |
かつお | 2.6 |
ほうれん草 | 2.0 |
卵 | 1.8 |
*1ココアパウダー100%のもの
出典:「食品成分データベース」(文部科学省)を加工して作成
このデータベースは、文部科学省が開発したものであり、試験的に公開しているものです。
ちょっと一工夫
食品中に含まれる鉄分は、肉や魚などの動物性食品に多く含まれるヘム鉄と、植物性食品に多く含まれる非ヘム鉄の2種類があります。
ヘム鉄は非ヘム鉄の2~3倍の吸収率があるので、少量でも効率よく鉄分を摂取することができます。*1
非ヘム鉄は、ヘム鉄に比べて鉄の風味が少ないという点で優れています。
非ヘム鉄を摂るときの工夫は、ビタミンCを多く含むものと一緒に摂ることです。ビタミンCの多いピーマンやパプリカ、ブロッコリーなどを組み合わせたり、食後に柑橘類やいちご、柿などの果物を食べたりすることもおすすめです。
一方でお茶やコーヒーに含まれるタンニンは鉄の吸収を阻害します。食事中や食後すぐに飲むことは控えましょう。
*1 出典:国立健康・栄養研究所
酸味のあるものを食べる・よく噛む
胃酸が分泌されると鉄は吸収されやすくなります。胃酸の分泌を促すために、梅干しや酢などの酸っぱいものを食べたり、よく噛んだりすることもおすすめです。
ビタミンB1
ビタミンB1は水溶性ビタミンの一つで、ごはんやパン、麺などの糖質を含む食べ物をエネルギーにする際に必要です。不足すると糖質がエネルギーとなれずにピルビン酸という疲労物質として体内にたまるため疲れやすくなります。
ビタミンB1を多く含む食品
食品名 | 100gあたりのビタミンB1の量(㎎) |
---|---|
米ぬか | 3.12 |
小麦はいが | 1.82 |
豚ヒレ肉 | 1.32 |
まいたけ(乾) | 1.24 |
干しのり | 1.21 |
豚もも肉 | 1.01 |
豚ロース肉 | 0.96 |
ごま(乾) | 0.95 |
焼きたらこ | 0.77 |
カシューナッツ | 0.54 |
ピスタチオ | 0.43 |
玄米 | 0.41 |
胚芽精米 | 0.23 |
出典:「食品成分データベース」(文部科学省)を加工して作成
このデータベースは、文部科学省が開発したものであり、試験的に公開しているものです。
ちょっと一工夫
ビタミンB1は米ぬかに多く含まれています。普段、白米を食べている人は胚芽米や玄米にすることで、米ぬかを摂りやすくなります。パンであれば全粒粉にするなど、主食となるごはんやパンは精製されたものではなく未精製のものを選ぶと良いでしょう。
野菜のぬか漬けもおすすめです。ぬかに含まれるビタミンB1が野菜に取り込まれ、含有量が大幅に増加します。
また、にんにくやにら、ねぎ、玉ねぎなどに含まれるアリシンという成分はビタミンB1の吸収率を高めます。
ビタミンB2
水溶性のビタミンで糖質、脂質、タンパク質の三大栄養素がエネルギーに代わる際に必要です。特に脂っこい食事が好きな方は、脂質の摂取量が多くなるので、その分だけビタミンB2が必要となります。
「発育のビタミン」とも呼ばれるビタミンB2は、成長期の子どもにも欠かせません。不足すると成長障害を起こしたり口内炎、口角炎、肌が荒れるなど皮膚や粘膜に影響があります。
ビタミンB2を多く含む食品
食品名 | 100gあたりのビタミンB2の量(㎎) |
---|---|
豚レバー | 3.6 |
牛レバー | 3.0 |
干しのり | 2.68 |
まいたけ(乾) | 1.92 |
鶏レバー | 1.8 |
うなぎのかば焼き | 0.74 |
パルメザンチーズ | 0.68 |
すじこ | 0.61 |
塩さば | 0.59 |
納豆 | 0.56 |
卵 | 0.43 |
モロヘイヤ | 0.42 |
プロセスチーズ | 0.38 |
菜の花 | 0.28 |
出典:「食品成分データベース」(文部科学省)を加工して作成
このデータベースは、文部科学省が開発したものであり、試験的に公開しているものです。
ちょっと一工夫
ビタミンB2は熱には強いため調理での損失は少ないですが、光に弱いビタミンです。
このためビタミンB2を多く含む食品は日光を通さない紙パック包装などを選び、購入後は冷暗所に保存し光に当たらないようにしましょう。また、ビタミンEと併せてとると抗酸化力が高まります。
タンパク質を不足しないように摂る
タンパク質は以下の4つのような働きがあります。
- 臓器、筋肉、皮膚、骨や歯、毛髪や爪などの材料となる
- ペプチドホルモンや神経伝達物質を構成
- 免疫機能を高める
- 酵素を構成する(消化酵素など)
詳しくはこちら「カラダを作るタンパク質とは。体内のタンパク質は最大10万種類!?」
そのためタンパク質が不足すると筋力・体力が落ちてしまいバテやすくなったり、風邪を引きやすくなったりすることにつながります。
特に夏場はのど越しの良い麺類やアルコール、アイスなど、糖質の多いものばかりを口にしがちで、タンパク質が不足しやすくなります。
タンパク質は多く摂っても尿として排泄されてしまうので、ストックができません。毎食必ずタンパク質を摂ることも、バテないカラダ作りには重要です。
スタミナがつくメニュー
ここまでに紹介した栄養素をうまく摂れるようなメニューをシーン別にご紹介します。
鉄分たっぷり、スタミナアップにおすすめ
玄米、かつおのたたき、ひじきの煮物、野菜のぬか漬け、しじみの味噌汁、果物
鉄分の多いかつお・ひじき・しじみを使用した献立。玄米や野菜のぬか漬けによりビタミンB1も摂取できます。食後の果物はビタミンCの多い柑橘類やいちご、柿などにすると非ヘム鉄の吸収率が増えます。
食欲がないときにおすすめ
ビビンバ、わかめのスープ、パプリカのマリネ
食欲がないときは、香辛料や酸味をきかせると食べやすくなります。
ビビンバの具に、豚肉・小松菜ナムル・キムチ・目玉焼き・もやしナムルなどが入っているものをとるのがおすすめです。疲労回復に欠かせないビタミンB1を多く含む豚肉、ビタミンB2と鉄を多く含む卵、鉄を多く含む小松菜で、スタミナ献立になります。
また、ビタミンCの多いパプリカをメニューに加えることで、鉄分の吸収を高められます。
運動前におすすめメニュー
生姜焼き丼、オクラとトマトのとろろ和え、あさりの味噌汁
ごはんをエネルギーに変えるために必要なビタミンB1、筋肉を作るタンパク質を豊富に含む豚肉は、運動前の食事に最適です。生姜焼きには、アリシンが多い玉ねぎやニラを加えることで、ビタミンB1の吸収率を高めます。また、とろろに使われるやまいもには消化酵素が含まれており消化・吸収を助けてくれます。さらにあさりのお味噌汁で鉄分を補給し、運動に備えましょう。
まとめ
汗をかく季節には、スタミナをつけられるタンパク質、鉄分、ビタミンB1、ビタミンB2などの栄養素を含む食べ物をよく噛んで食べましょう。また、食材の選び方や食べ合わせを意識するとで、より効率的に摂取できます。
食材を上手に組み合わせて、バテ知らずのカラダを手にいれましょう。
おすすめ商品
あなたにおすすめ
『パワープロダクション活用法』
日々のトレーニングに役立つパワープロダクション活用法を紹介します。プロテインやサプリメントの上手な活用法や、プロアスリートが実演するトレーニング動画など、あなたの目的にあったコンテンツをぜひ役立ててくださいね。
詳しくはこちら(ブランドサイトへ)