趣味で始めるスポーツ・運動のススメ
初心者がトライアスロンを始めるために必要なアレコレ
スイム・バイク・ランの3種目を一気にクリアするトライアスロン。
独特のスピード感があり、何より強靭な体力はとても格好いいですよね。
しかし、始めようと思っても必要な持ち物は?練習方法は?などわからないことが多いでしょう。
競技会の規模も初心者でもトライできる短距離の大会から、更なるタフさ・スピードを競うロングディスタンスまでさまざまです。
まずはトライアスロンの世界をのぞいてみませんか?
トライアスロン(triathlon)とは
tri(3)とathlon(運動)。
ラテン語の単語を組み合わせた造語で、スイム(水泳)・バイク(自転車)・ラン(長距離走)の3種目を連続して一人で行う競技です。
年齢や体力、性別を問わず、自分のペースでトレーニングできることからジュニア世代からシニア世代まで幅広く、競技スポーツとしてだけでなく、生涯スポーツとしても愛好者は年々増加しています。
距離別の種類
ITU(国際トライアスロン連合)ではトライアスロンの距離を以下のように規定しています。
ディスタンス(総合距離) | スイム | バイク | ラン |
---|---|---|---|
スーパースプリント(12.875) | 0.375 | 10 | 2.5 |
スプリント(25.75) | 0.75 | 20 | 5 |
オリンピック(51.5) | 1.5 | 40 | 10 |
ロング(67~226.2) | 2~4 | 50~180 | 10~42.2 |
単位:キロメートル
引用:公益社団法人 日本トライアスロン連合(JTU)
短距離ならはじめやすい
初心者向けのスーパースプリントなら、何となく距離のイメージが付きませんか?
長い距離への不安も25mプール7往復半、バイクは通勤範囲、ランも一駅分と思うといくらか気が楽になるのではないでしょうか。
レースによってはスイムを屋内プールで行う場合もあります。海が怖くて…、という方はまず室内から始めてみるのもおすすめです。
揃えておきたいグッズ トライアスロンを始めるために必要なもの
まずは必要最低限、練習に必要なものを揃えてみましょう。
大会独自のルールとして、着用ウエアや使用グッズにも細かな違いがあります。
バイク・ランはトライウエア(トライアスロン用ウエア)の着用が義務付けられていますが、大会が決まってから購入しても良いでしょう。
目標の大会があれば、一度大会要項に目を通しておくことをおすすめします。
スイム
基本は競泳用を準備します。
スイムキャップは大会で支給された場合、着用が義務付けられています。
スイムウェア | 普段の練習で使用。競泳用を準備する。 キャップは大会によって支給される場合もあるが、基本的には私物を使用する。 |
スイムキャップ・ゴーグル | |
ウエットスーツ | 大会の気象環境によって着用を推奨、または義務付けられることもある。 スイムウェアの上から着用する。 |
バイク
自分の体格に合わせたものを専門のショップで選んでもらうといいでしょう。
バイク | ロードレースタイプから選ぶ。 |
ヘルメット・グローブ | 安全のために必須である。 |
ビンディングシューズ (バイク専用シューズ) |
シューズとペダルを固定する専用部品(ビンディング)が付いている。 |
バイク用パンツ | お尻部分にクッションが入っている。 長距離走行に必要となる。 |
ラン
シューズ | 自分のサイズに合ったものを選ぶ。 ソックスの使用有無でシューズサイズが変わることがある。 |
キャップ | 陽射し対策として重要である。 |
ランウエア | 通気性・速乾性の良いものがよい。 |
準備期間と練習法
目標とする大会のスイム・バイク・ランの距離を無理なくこなせることを練習課題とします。
大会で課される距離を一気にこなす必要はありません。継続できる練習量で少しずつ距離を伸ばしていきましょう。
練習量だけに気をつかうのではなく、普段からこまめに動く習慣をつけたり、休養・栄養補給などの健康管理に気を配ることもとても重要です。
準備期間
出場する大会のスイム距離が問題なくこなせるように期間をとりましょう。
スイムは、3種目の中で一番予期せぬトラブルに見舞われやすい種目のため、十分な練習が必要です。
運動経験の有無、またブランクがある人など、運動習慣や現時点の体力によっても必要な期間は異なります。3~9か月を目安として、練習スケジュールを組んでみましょう。
練習で必要なこと
それぞれの種目で練習・学習しておくべきことを確認しておきましょう。
スイム
普段とは環境が異なるオープンウォーター(海などのプール以外のスイムコース)では潮の流れや水温変化があるため、それに対応できる泳力をつけることが重要です。選手同士での接触も避けられないので、集団で泳ぎわざとぶつかる練習をするのも効果的です。
ウェットスーツを着ると浮力が強くなるため、泳ぎの感覚が普段と異なることがあります。着用が義務付けられている大会を目標にする場合は、着用しての泳ぎの感覚をつかんでおく練習も必要です。
バイク
バイクには公道走行、追い抜きのルールがあります。事故や転倒を最小限に防ぐため、トライアスロンの初心者用講習会があれば参加するか、バイクを購入したショップで確認しておきましょう。
ランニング
トライアスロンのランニングが通常と異なる点は、スイム・バイクをこなしてから始まるということです。
最初は歩きからでも構いません。すでに体力を消耗していることを前提として、ゆっくりでもよいので、長めに走る習慣をつけましょう。
クロストレーニング
単独種目の練習に慣れたら、2つ以上の種目を組み合わせ、連続して行うクロストレーニングを行います。速度を気にする必要はなく、自分のペースで行います。レースでは3種目連続で行うため、前の種目の疲労が残った状態でのスタートです。身体の動きや感覚の違いをつかむためにも実際の順番で行ってみることをおすすめします。
体調管理も完走への近道
練習と同時に体の調子にも耳を傾けてみましょう。
長時間有酸素運動を行うトライアスロンは呼吸器・循環器系の負担が大きい競技です。初心者だけではなく経験者でも体調不良は起きやすいものです。過度の疲れなど体の異常を感じたら勇気をもって休むことも、完走のために大切です。
日常の体調管理と合わせて、心電図などの循環器系検査は定期的に受診するようにしましょう。
レースの1週間前からカーボ・ローディング(エネルギーを通常より多く蓄積するための運動法と栄養摂取法)を行い、体の中にエネルギーを貯めておくこともおすすめです。
カーボ・ローディングに関しての詳細はこちらをご参照ください。
「カーボ・ローディング(グリコーゲン・ローディング)の必要性とは」
試合当日
会場入りからフィニッシュまで長い1日になります。大会をシミュレーションしておきましょう。
試合の流れ
ある大会の1日を追ってみます。
(大会によってスケジュールが違う場合があります)
会場入り
受付時、レースナンバーが配布されます。スイムキャップ支給がある場合は合わせて行われます。
トランジションエリア(種目の切り換え地点)でのセッティング
私物は所定のロッカー等大会指定の場所に収納し、競技に必要な物品のみをここに持ち込みます。バイクは所定のラックにかけておきます。
ウォーミングアップ
大会によっては当日のコース試走を禁止している場合があります。
ルールに則り行いましょう。
競技スタート(スイム~バイク~ラン)
スイムスタート時にタイム計測用のアンクルバンドが支給されます。競技終了まで外しません。
フィニッシュ
競技開催中はバイクをトランジションエリア から持ち出せない場合があります。予想より早くゴールしてしまったら、競技中のトライアスリートにも声援を送りましょう。
所定時間になったらバイクをピックアップして終了です。
エネルギー補給のポイント
トランジションエリアへ小さめの固形食品を持ち込んでおくと、栄養補給がしやすくなります。羊羹やおまんじゅうなどがおすすめです。
比較的内臓の揺れが少ないバイクではジェルやバーなどすぐにエネルギーになりやすいものをおすすめします。ジャージのポケットに入れておくこともできますし、バイクに貼り付けておくこともできます。
ランニングでは水分補給を第一に考え、脱水症状防止にスポーツドリンクを摂るとよいでしょう。
まとめ
トライアスロンを身近に感じてきたのではないでしょうか?
3種目のうち、苦手な種目もあるかもしれません。できることから少しずつ取り組んでみませんか?憧れていた鉄人の背中が少しずつ見えてくること間違いなし。
さあ、次はあなたの番です!
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