健康なカラダ作りはタンパク質から
アスリートがおすすめ!タンパク質の多い食品解説
スポーツや筋トレをするなら、タンパク質がとても重要です。そのことはわかっていても何を摂ったらいいかわからない、いつもマンネリになって飽きてしまう…と悩む方もいるのではないでしょうか?そこで、トップアスリートたちはタンパク質を補給したいときにどんな工夫をしているのか、高タンパク低カロリーの食事にするコツなどをご紹介します。
タンパク質の重要性
タンパク質は、筋肉・骨・血液の材料となる重要な栄養素です。スポーツや筋トレなどで全身を動かすために必要で、体作りにおいて大きな役割を担っています。
筋肉は強い運動によって分解され、材料となるタンパク質を吸収して合成するというプロセスを経ながら強く大きくなっていきます。適切な量とタイミングで補給すると筋肉を作るサイクルがスムーズに働きますが、不足してしまうと筋肉量が増えないばかりか、骨や血液にも影響が及び故障しやすくなったり、スポーツ貧血の原因になったりすることもあります。
詳しくはこちら「タンパク質の不足で起こる諸症状、その症状と対策とは」
トップアスリートも重要視する高タンパク食品
アスリートと私たちでは、日々のエネルギー消費量が違います。アスリートは、その分の補給やコンディショニングのために意識して栄養摂取しています。
トレーニング終了30分以内にあなたは何を補給していますか?
アスリートは「回復のゴールデンタイム」とされるこの時間帯を有効に使い、トレーニングで酷使した体の材料となるタンパク質を積極的に補給しています。
同じ100キロカロリーを補給するときにも、ただ何も考えずに食べるのと、どの栄養素が体内で何に変わるのか意識して食べるのとでは差が生まれます。
納豆
植物性タンパク質、そしてカルシウム・鉄分などミネラルも含むため、タンパク質強化、貧血予防など種目に関わらず重宝される食材です。納豆に含まれるビタミンKは骨の中のタンパク質を活性化し、新しい骨の形成を促す効果があります。パッケージに密封性があることから持ち歩きもでき、保存にも優れているため補食や外食時のプラス食材として活用するアスリートも多くいます。
無脂肪牛乳
余分な脂肪摂取を抑えたいアスリートには乳製品のなかでも無脂肪牛乳がよく好まれます。牛乳にはタンパク質を吸収するのに役立つミネラルも多く含まれているため、骨を作るのに欠かせない成分も摂取できます。そのまま飲むことはもちろん、プロテインを溶かしたりするのにも使えます。
牛乳が苦手な方は、豆乳にもタンパク質が豊富に含まれているのでおすすめです。
ツナ
缶を開ければすぐに食べられる手軽さとともに、タンパク質補給の定番として、主に体を大きくしたいアスリートに重宝されています。水煮タイプのツナは、オイル漬けと比べて余分な油分を含んでいないため、タンパク質を純粋に補給したいときにおすすめです。
アスリートフードマイスターおすすめ!高タンパク質メニューのコツ
タンパク質を食材として選ぶときのコツをおさえましょう。
多くの食材を組み合わせてみよう
体を作るタンパク質はさまざまなアミノ酸の組み合わせによって構成されています。単一の食材ばかりだと、決まったアミノ酸しか体に取り入れられないので、さまざまな食材を食べるようにしましょう。また植物性・動物性タンパク質を組み合わせて摂ることで補足効果が生まれ、バランスが良くなります。
動物性タンパク質の割合が低いと貧血や血漿タンパク質の不足が起こるため、さまざまな食材からバランスよくタンパク質を摂ることが重要です。
またタンパク質を食事から摂るとき、食材に含まれる脂肪量も気になるところです。
高タンパク低脂肪を意識するために可食部100gあたりの含有量を比較してみましょう。
食材 | タンパク質量(g) | 脂質量(g) |
---|---|---|
牛もも肉 | 20.7 | 10.7 |
豚もも肉 | 22.1 | 3.6 |
鶏むね肉(皮つき) | 19.5 | 17.2 |
鶏むね肉(皮なし) | 24.4 | 1.9 |
さけ | 22.3 | 4.1 |
かつお | 25.0 | 6.2 |
牛乳 | 3.3 | 3.8 |
豆乳 | 3.6 | 2.0 |
たまご (Mサイズ1個40g) | 12.3 | 10.3 |
木綿豆腐(1丁:300~350g) | 6.6 | 4.2 |
トレーニング量や自分の作りたい身体に合わせて食材を選んでいくのもとても効果的です。
なるべく赤身の多い部位を選ぶ
いわゆる赤身と呼ばれる部位は、タンパク質を効果的に吸収するミネラルも多く含みます。
牛肉ではランプ・もも、豚肉はもも・ひれの部位に多く含まれます。赤身ではありませんが、鶏肉では皮を取り除いたむね肉は高タンパク低脂肪の代表的な食材です。お魚ではマグロ・カツオ・ブリ・イワシなどの回遊魚が赤身の魚として分類されます。
プロテインを利用して効率的に摂取する
余分なカロリー・脂肪摂取を抑えて、タンパク質を補給したいとき、食事のプラスアルファとしてプロテインを活用するのもおすすめです。
プロテインは商品によって含まれるたんぱく質量が異なります。タンパク質含有量が多いものほど、純粋なタンパク質補給に適したものといえます。パッケージに記載されている栄養成分表示を必ず確認しましょう。
主食・主菜・副菜とバランスのとれた食事にプロテインを1杯プラス。食事の間隔が開いてしまうときは補食としての活用もお勧めです。食事で糖質(炭水化物)をしっかり摂ったうえで、プロテインをプラスするとタンパク質が体内に吸収されやすくなります。
プロテインの飲み方に関してはこちらも参考にしてみてください。「プロテインの飲み方。タイミングは食前?食後?」
ビタミンB6を含む食品を合わせて取るとさらに効果アップ
ビタミンB6はたんぱく質の代謝に必要な、タンパク質の摂取量と比例して必要量が増加する栄養素です。
肉や魚などの動物性食品、サツマイモ、アボカドなどの植物性食品に含まれますが、動物性食品のほうが体内での利用効率が良いとされています。代表的な食材として、牛・豚レバー、鶏ささみ、マグロ(赤身)・カツオ・サバ・鮭などがあります。
ビタミンB6を含む食材を取り入れた食事にプロテインをプラスすることで、タンパク質の摂取量が増加しても、代謝をよりスムーズに促してくれます。
補食としての摂取はバナナがお勧めです。バナナにもビタミンB6は多く含まれるので、バナナ&プロテインはたんぱく質の利用効率を上げる組み合わせといえるでしょう。
出典:知っておきたい栄養学(白鳥早奈英 学研パブリッシング)
96ページ ビタミンB6
77ぺージ タンパク質
アスリートたちはどんな食事をしているのか?
国立スポーツ科学センター(JISS)では、日本代表クラスのトップアスリートが日々トレーニングを行っています。こちらで提供されている食事のなかから、日常でも取り入れやすい高タンパク質のメニューをご紹介します。
牛肉のオイスターソース炒め
牛肉は豚・鶏と比べて鉄分が多く含まれています。加えて、赤身で低脂肪の牛もも肉を使うことがコツです。増量・減量、またスポーツを問わず取り入れやすいメニューです。
詳しい作り方「牛肉のオイスターソース炒め」(国立スポーツ科学センター)
鶏の梅しそレンジ蒸し
鶏肉の脂肪分は大半が皮に含まれています。肉に付着している細かな白い部分も含め丁寧に取り除きましょう。
電子レンジで簡単に蒸すことができるため、トレーニングから帰ってきてもすぐに作れます。余分な脂肪を摂取したくないときや、減量したいときにおすすめです。
詳しい作り方「鶏の梅しそレンジ蒸し」(国立スポーツ科学センター)
豆乳鍋
トレーニングで疲れている胃腸でも消化しやすいようにお肉は薄切りを選びましょう。
体を大きくしたいときや筋肉を増やしたいときは、支える骨の強さも重要となるため、骨の強化に欠かせないカルシウムも豆乳と共に鍋に欠かせない豆腐と併せて摂りましょう。
詳しい作り方「豆乳鍋」(国立スポーツ科学センター)
上手に日常にタンパク質を取り入れましょう
タンパク質を摂取したいときは、単一の食材ばかりでなく肉→魚→大豆などローテーションをして、いろいろな食材を使ってみましょう。栄養バランスが整うだけではなく、さまざまな栄養素を摂ることが期待できます。また、実際にアスリートたちが食べている食事を真似して作ってみることもおすすめです。このページで紹介したコツや料理をぜひ試してみてくださいね。