からあげはみんなもよく知っている人気料理のひとつで、お弁当や食事のおかず、お酒のおつまみ、定食屋のメニューなどさまざまな場で食べられているね。 からあげとは、食材に小麦粉や片栗粉などをうすくまぶして、もしくは何もつけずに揚(あ)げた料理のことで、「唐揚げ」、「空揚げ」と書くよ。食材にとり肉のほかにもエビ、イカの足(ゲソ)やカレイ、ふぐなどの魚介類を使ったものもからあげなんだ。
からあげ(唐揚げ)はその名の通り、中国から伝来した調理方法であると考えられているよ。中国語でいちばん近いのは「乾炸」(カンジャー)という調理方法で、粉をまぶして揚げるという点で同じなんだ。しかし「乾炸」の本来の意味は、長い時間油の中で加熱して水分を飛ばし、ぱりぱりの状態に揚げることで、粉をまぶさずにそのまま揚げる料理のことも指しているんだ。それに、中国料理のからあげは揚げたあとに餡(あん)やタレをかけることが多く、日本のからあげとは少しちがっているよ。
とりのからあげは日本独特のもので、戦後、養鶏場(ようけいじょう)をつくろうという国の政策でここ30〜40年の間に発展してきたものなんだ。中でも大分県中津市にはたくさんの養鶏場がつくられ、今では九州の北部にはたくさんのからあげ屋があるよ。 また、特定の地域(北海道や中国・四国地方など)ではとりのからあげを「ザンギ」と呼ぶこともあるよ。北海道では「ザンギ」、愛媛県では「千斬切(せんざんぎ)」と地方によって呼び方もさまざまなんだ。『ザンギ=とりのからあげ』という意見もあれば、『別物だ』という意見もあり、北海道ではとり肉だけでなく魚介類のからあげも「ザンギ」と呼ぶんだ。さらに「ザンギ」という名前の由来もさまざまで、中国語でとりのからあげを意味する「炸鶏(ザーギー)」に運がつくようにという意味でンが入って「ザンギ」となったという説や中国語の「炸子鶏(ジャーズージー)」がなまって「ザンギ」になったという説、とり肉を骨ごと切る(散切り)から「ザンギ」と名付けられたという説などがあるんだ。
日本独自に発展してきたからあげは、地方によっても呼び方がちがったり、調理方法(味つけや衣など)が工夫されたりしてバラエティー豊かになり、みんなの大好きなメニューのひとつとして親しまれているんだね。
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