アイスクリームの歴史は、食品を保存するために使われていた氷にみつや果汁をかけて食べたことから始まるんだ。古代のアイスクリームは、今のシャーベットのようなもので、お菓子としてではなく疲れたからだを元気にする食べ物として利用されていたんだよ。当時の支配者達は、これらを戦場で兵士に与えて、士気を高めたといわれているよ。また、自身も好んで食べていたといわれているんだ。こうして次第に王族、貴族や裕福な人たちを中心に愛される食べ物になっていったんだ。
16世紀の半ば、アイスクリームの歴史に大きなエポックが訪(おとず)れ、その後のすばらしい発展のきっかけになるんだ。それは、冷凍技術の発明と、イタリアの大富豪(だいふごう)カトリーヌ・ド・メディチとフランス王アンリ2世の結婚なんだ。当時イタリアで食べられていたシャーベットがフランスへ伝わって、さらにヨーロッパ各地に広がっていったんだよ。その後、現在のアイスクリームの原型になるホイップクリームを凍らせた「グラス・ア・ラ・シャンティ」や、卵を使った「フロマージュ・グラス」もフランスで発明されたんだ。
世界最大のアイスクリーム消費国であるアメリカに、アイスクリームがいつ伝わったのかははっきりとはわかっていないんだけど、1700年に書かれた手紙にアイスクリームという言葉が出てくるんだ。その後、1851年にはアイス工場ができて産業としても発展していったんだよ。こうして一部の裕福な人だけではなく、一般の人にも広まっていったんだ。その後も色々な工夫がなされて、種類が増えていったんだよ。
日本でのアイスクリームの歴史は、江戸末期に幕府の使節団(しせつだん)がアメリカを訪問したときから始まったといわれているよ。柳川当清(やながわとうせい)の「柳川日記」に『味はいたって甘く、口中に入るるに忽(たちま)ち溶けて、まことに美味なり。これをアイスクリンという。』と書かれたものが残っているんだ。
明治2年には、横浜馬車道通りで町田房蔵(まちだふさぞう)が日本で初めて製造販売を開始したんだ。その後、レストランで食べられるようになったんだけど、値段は当時の大工さんの日当よりも高く、とても高価なものだったそうだよ。
大正10年には、アイスクリーム工場での量産ができるようになって、家庭でも気軽に食べられるようになったよ。
昭和30年代になると、現在でも販売されているカップアイスやコーンアイスも登場したんだよ。この頃に冷蔵庫が普及(ふきゅう)し始めたこともあって、ますますみんなに親しまれるようになったんだ。
現在では、味の種類が増えただけでなく、いろいろな形や食感のアイスが登場して、自動販売機で買うこともできるね。
また、日本アイスクリーム協会は、アイスクリームの一層の広がりを願って、昭和39年に毎年5月9日を「アイスクリームの日」として定め、今日では各地でイベントなどが行われているよ。
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