プリン(プディング)といえば、甘いカスタードプリンを想像する人が多いと思うけど、もとは小麦粉、卵、牛乳を混ぜて、肉や果物にぬって蒸したものだったんだよ。イギリスでは昔からこのような料理が食べられていたよ。各家庭や地域などによって、ソーセージ、果物、ぶどう酒、プラムなど、いろいろなものを入れて食べていたようだよ。
また、プリンは非常食としても役立っていたんだよ。航海中の食料不足は、船乗りたちの最大の問題だったよ。いったん海に出てしまうと、簡単に食料の補給ができないので、船に積んだ限りある食料をできるだけ有効に使わないといけなかったんだ。普通は捨ててしまうような肉のかけらやパンくずなども捨てずに、おいしい料理にする方法を探していたよ。余った材料を全部集めて卵と一緒に蒸し焼きにしていたんだって。これもプリンの原型だといわれているよ。
みんながよく知っているカスタードプリンが誕生するのは、18〜19世紀頃のフランスだといわれているよ。フランス語では、Crème renverse(クレーム・ランヴェルセ)と呼ばれているよ。renverseとは「ひっくり返した」という意味で、出来上がったものを逆にしてお皿に盛り付けるところからついた名前なんだよ。
日本にプリンが伝わってきたのは江戸時代後期〜明治の初期といわれていて、1872年の「西洋料理通」で、ポッディングという言葉で紹介されているよ。
日本の一般家庭に普及(ふきゅう)したのは、家庭で作れるプリンの粉が発売された20世紀後半だよ。より固まりやすく、またプルンとした食感を出す工夫として、卵だけでなく、ゲル化剤も使用しているよ。
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