チョコレートの原料であるカカオのルーツは中南米で、紀元前後「神様の食べ物」といわれ、大変貴重なものだったんだ。最初は中に詰まったカカオ豆を生のまま食べていたんだけど、その後、ローストしたカカオ豆をすりつぶして飲むようになったよ。これが、「飲むチョコレート”カカワトル”」の始まりなんだ。これに、とうもろこしの粉を加えたり、バニラやスパイスで香りをつけたりして飲んでいたんだって。アステカの皇帝モンテスマは、不老長寿(ふろうちょうじゅ)の薬として、1日に50杯のカカワトルを黄金のカップで飲んだと言われているよ。
16世紀、スペイン人のエルナン・コルテスがアステカを征服(せいふく)したとき、カカワトルの薬用効果を知り、国へ持ち帰ってカルロス一世に献上(けんじょう)したんだ。その後、砂糖などを加えた甘い飲み物として、ヨーロッパ全土に広まっていったよ。
1828年、オランダ人のヴァン・ホーテンはカカオ豆をココアバターとココアパウダーに分けることに成功したよ。これらの発明は、現在のチョコレートにつながる重要なきっかけとなったんだ。
1848年にはイギリスで、すりつぶしたカカオ豆に砂糖とココアバターを加えて、今のチョコレートの原形が作られ、これが「食べるチョコレート」の始まりとなったよ。この頃の「食べるチョコレート」はまだ苦味が強かったんだけど、1876年にスイス人のダニエル・ピーターが「食べるチョコレート」にミルクを加えることで、甘く口当たりの良いミルクチョコレートを発明し、人々を魅了(みりょう)していったんだ。
日本には、18世紀末頃に「しょくらとを」という名前で伝わったんだって。また、日本で初めてチョコレートが販売されたのは、1877年(明治10年)になってからのことだよ。当時の新聞には、チョコレートを漢字で表わした「猪口令糖(ちょこれいとう)」の文字が見られるんだけど、全国にチョコレートが知られるようになったのは大正時代に入ってからだよ。その後、第二次大戦後にチョコレート産業が飛躍的(ひやくてき)に成長し、製造の技術も進んで、多様なチョコレートがうまれていったんだよ。
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