ドーナツの名前は、「Dough(ドウ):生地(きじ)の意味」と「Nut(ナッツ):木の実の意味」がくっついてできたもので、名前の通り、もともとはナッツ(クルミ)を入れた揚(あ)げ菓子だったんだよ。
その歴史は17世紀頃までさかのぼるよ。オランダなどのヨーロッパでは、クルミを真ん中にのせた揚げ菓子が食べられていたんだ。この揚げ菓子に穴はあいていなかったんだけれど、これがドーナツの原型といわれていて、アメリカに伝わったんだよ。
みんながすぐに思いつくドーナツは穴があいているよね。この穴あきドーナツはアメリカで誕生したんだ。それにはいくつかおもしろい誕生説があるので紹介(しょうかい)するね。アメリカではクルミが手に入らなかったので、真ん中に穴をあけるようになったという説や、放った矢が揚げ菓子の生地の真ん中に命中して穴ができたという説があるよ。また、全米ドーナツ製造組合の記録には、ハンソン・グレゴリーという船乗りの話が残っていて、子どものころによく作ってもらっていた揚げ菓子がいつも生焼けだったので、中までしっかり火がとおるように、穴をあけて揚げるようになったという説があるよ。
1870年代には機械によるドーナツの大量生産が可能になって、1950年前後にはドーナツ店がアメリカの各地に広まり始めたよ。ドーナツには材料によってイーストドーナツ、ケーキドーナツなどがあるんだけど、その時にはケーキ生地を揚げたミルクドーナツが大流行したんだよ。
その後ドーナツは世界にも広がって、1970年頃に日本にもドーナツのお店が登場したんだよ。現在でもドーナツや揚げ菓子は、子どもから大人までみんなに親しまれているね。
参考文献:ドーナツ全書(製菓実験社) |